私とお金の関係は、ここ数年で激変した。どのように変化したかというと、「生きるために必要なもの」から「自由への選択肢を増やすもの」へと変わった。
なぜ変わったかというと、結婚から離婚を経験したことが大きいと思っている。
結婚では貯金する術が身についたが、お金への考え方はごく一般的であった。
結婚前に相手と決めたことは2つ。1つが旅行用と老後用で先取り貯金をすること。もう1つが、それ以外は予算を決めて使っていくこと。
そこまで収入が多くなかったので、世間一般と比べて「お小遣い」は少なかったと思うが、その時は2人の関係を作っていく上では重要と納得していた。
相手のほうが「お小遣い」は少なくていいと言ってくれていたし、この頃はまだ暮らしていけるお金があればいいと安易に考えていたのだ。
やりたいことに他者の承認・同意が必要な関係は、向いていなかった
この考えが変わったのは、1人で暮らしたいと思うようになってきたからだ。
結婚という関係がしがらみに感じるようになってきていた。
結婚前からやりたいことはすぐにやるタイプで、自分が稼いだお金でやりたいことをやるのに他者の承認同意が必要な「結婚」という契約は私には向いていなかったのだ。
おそらく私が子どもを欲しいと思っていないことも大きな理由になったであろう。子どもがいると自由な時間は大きく減る。そのことが私には耐えられなかった。
相手は逆に子ども好きで、子どもが欲しいタイプ。
このあたりの意思のすり合わせがうまくいっていなかったことで、次第に気まずい関係になるようになった。
1人で暮らしたいと思うようになって、まず考えたのはお金のことである。
1人暮らしは2人暮らしよりもお金がかかる。
特に大きいのは家賃だ。
車を持っていないので、移動は公共交通機関が中心となる。
そのため、ある程度主要な駅のそばに住みたいと考えた。
住みたい場所の家賃相場を調べれば調べるほど、今までと同じ考え方では暮らしていけない、お金が足りないと思うようになった。
投資を始めて出会ったYouTube。どれだけお金に無知かを知った
ここからお金について勉強するようになった。
節約するにはどうしたらいいかから始まり、どうしたら収入を増やすことができるのか真剣に考えるようになった。
幸い、結婚生活の中で決めた予算内で生活する術が身についていたので、少しだけだが余剰資金を作ることができるようになっていた。
そこでまず小さく投資をやってみることにした。国が優遇税制として行っている「積立NISA」と「iDeCo」を少額から始めてみた。
ここで幸運だったことは、知り合いに投資経験がある人がいたことだった。
その人がいなかったら投資を始めることはなく、お金について深く考えることもなく今も生活するだけで精一杯だったかもしれない。
投資を始めたことで、もう1つ幸運がやってきた。
お金について情報配信するチャンネルをYouTubeで見つけたことである。
配信内容がずばり私が困っている悩んでいることで、すぐにほかの動画ものめりこむように視聴していった。
今まで自分がどれだけお金に無知で生きてきたか、突きつけられた感覚だった。
そこからお金についてより詳しく学ぶようになっていった。
まずは簿記3級を学び、ファイナンシャルプランナー3級の勉強を行った。
この2つは資本主義の日本という国で生きていく上で、基礎知識になる。
いわば日本語の読み書き、算数みたいなものだと思っている。
お金の有無が幸せじゃなくても、お金があれば「選択肢」は増える
投資を始めて数か月後、悲しくも離婚という道を選ばせてもらった。
相手には申し訳ないと今でも思っているが、この決断に後悔はしていない。
貯金が増え、投資にも回せるお金が増えてきたことで精神的にも安定するようになっていった。
新しいことに挑戦しようという気持ちも大きくなり、今は副業に挑戦している。
給与以外にもお金が入ってくる道があれば、心の余裕はより大きくなると思っている。
結婚前とくらべて、違う生き方になっているがとても満足している。
お金の有無が幸せとは言わないが、選択肢を増やすという意味ではお金は有効である。
今は個人で稼いで独立してみたいと思っている。
そう思えるのも、お金の知識をつけて自分に必要な金額がわかるようになったからだ。
好きなときに好きなことができるためにも、お金は必要であり、私の選択肢を広げてくれる。