私が将来結婚出産をするかは分からない。しかし、どちらであっても自分のスキルをつけるために投資をし続けたいとは思っている。究極的に頼れるのは自分だけだと思っているからだ。将来起こるであろう問題にも自分で判断して事を進める力が欲しい。そのための選択肢を増やしたいから私は働いてお金を増やすし、そのための勉強もしている。

その価値観を持ちはじめたのはごく最近のこと。そこに行きついたのは、今まで関わった人々や出来事によるのだと思う。

やりたいことを取り地元から離れ、全国転勤もある希望の会社に就職。

好きな分野での経験が生きる会社に入社を決めた。

私は現在、地方都市の比較的安定した企業に勤めはじめて4年目になる。このコロナ禍においても休業による給料削減はあったが、生きていけるだけのお金は貰えている。

そもそも現在の会社に入ったのは、大学の専攻に近い分野の仕事が出来るからだ。地元から遠く離れた場所にあり全国転勤もあるが、興味を持って学んでいた分野に関連する事業がある点に心が惹かれた。いくらお金のために働くとはいえ興味のないことでは精進し続けられないと感じたため、立地や転勤について迷いつつ、やりたいことの方を取った。

その判断は今でも正解だと思っていて、仕事の量は多いが内容は最近になってより充実してきている。事務処理の仕事ばかりだったところから脱却しつつあり、楽しくなってきた。職場環境も、人間関係がそれなりに良い上、同僚の女性が育休明けで戻ってきやすいくらいには福利厚生も手厚い。

その状況であったため、転職や異動については今まで全く考えてこなかった。現在地元を離れていることを除けば、安定した環境を変えずに頑張り続ける方が良いと思ったからだ。

海外転勤についてきて欲しい彼のお願いに、即答できなかった

その考えから変わってきたのは、去年の夏に彼と別れてから。
今の会社で働き続けることを疑わなかったけれど心が揺らいだ。

その彼は他社だったけど、自分と同じように転勤のある会社で働く技術職の男性だった。
最初はただ楽しくデートをしていた。食事代も美術館代も全て出してくれたし、私には本当にもったいない人だったと思う。

月日が経ち、結婚話が出る頃にお互いの会社の転勤の話になった。「僕はコロナが収束した後に海外赴任がある。その時はついてきて欲しい。」と言われたが、即答は出来なかった。

私の会社には海外帯同者向けの休業がない。帯同するなら退社一択になる。つまり今の安定した収入と良好な職場環境を手放すということだ。結局、帯同して欲しい彼氏と帯同出来ない私では結婚は出来なかった。

別れたことについて後悔はしていない。結婚で仕事を辞めるということは、経済力を失い自分で人生の手綱を引けなくなることだと思ったからだ。それでも、あの時の自分に経済力があったら決断できたのか、今でも答えは出ていない。

このことをきっかけに自分がなぜ働いているのかを深く考えるようになった。

どんな人生の選択をしても、自分で人生を切り開ける手段や経済力を

お金と時間をかけて自分の力をつけたい。

私が今働いているのは、たくさんのお金で自由になりたいし、自分で使える知識やスキルを増やしたいからだ。今の会社でも満たせると思っていたけれど、それでは不十分だったようだ。

将来また転勤族を好きになって、結婚したい時が来るかもしれない。そうなって相手に帯同する時でも自分で人生を切り開く手段や経済力は残したい。

そのために今、本業だけでなく他の手段でも稼げないかと模索をしている。貯金を増やすべく投資信託をしてみたり、安くないお金をWeb系スキルのスクールに払い学び続けている。すぐに実を結ぶものではないだろうが、お金と時間をかけて、可能な限り働き方やライフステージの選択肢を増やしたい。

将来結婚してもしなくても、いずれはおばさんやおばあちゃんになる。その時に心にゆとりを持った優しくて強いおばさんやおばあちゃんになりたいと思っている。そうなれるように「若い頃の自分は頑張った」と胸を張れるよう、私は働きつづける。