無心でキャベツをかじる我が家のハムスター。時に飼い主の私の指すらかじる彼には、私たちが社会に求められる「生産性」や「存在価値」はあるのだろうか。小さな背中を見ながら、私は考えた。ある日タクシーに乗った私は、クリスマスの夜に働いていた私は、女性であること、そしてひとりの人間であることについて考えた…。1月に掲載されたエッセイのなかから、多く読まれた5本を紹介します。

①無職のアラサー独身。30gの命に、ふてぶてしく生きることを教わる(はちゃのすけ)

あらすじ)コロナで職を失い転職活動中の私は、ハムスターとともにささやかに生きている。無心でキャベツをかじっている小さな背中を見ながら、最近よく耳にする「生産性」「存在価値」という言葉について考える。きっと彼は、社会の役に立とうなんて考えていないはずだ。

②寝室に男女3人。「始めましょう」と言った私の劣等感は消えたけど(識仲さをり)

あらすじ)友人の紹介で会った10歳年上の彼。クリスマスの夜、友人宅に3人で泊まった。ベッドに3人で川の字になっていると、彼が言った。「しないの?」。性への興味はある一方、恋愛経験がない私はそのことを恥じていた。

③接客業の私の信条は「平等」。雑にされたら雑に。丁寧には丁寧を(潮井エムコ)

あらすじ)ある日、タクシーに乗った。父親ほどの年齢の運転手は、受け答えもぞんざいで、あきらかに気だるそうだった。「なめられている」と直感した。怒りがこみ上げてきた私は別の日にタクシーに乗った際、対応を変えてみることにした。

④毎年届く図書カード。差出人を知って、初めて涙を流した(Lil'Mii)

あらすじ)毎年クリスマスが近づくと、クリスマスカードと図書カードが届いていた。クリスマスは、おもちゃではなく、好きな本を買ってもらう日だった。母を失い、父と祖母に育てられた私は小学4年生のとき、祖母にクリスマスカードの送り主をたずねた。

⑤「自己中心的」と指摘され、自ら認めるこの性格と向き合っていく(宮﨑紗矢香)

あらすじ)協調性がない。思ったままが口から出ていく。空気をよめない……周囲から指摘されて、自分の特性を振り返ってみた。社会において他者との関わりが避けられない以上、対処法を見つけていくしかない。

1月に読まれたTOP5のエッセイは、このようになりました。
さらに6位以降は次の通りです。こちらもぜひ読んでみてください!

顔のシミ、抜ける髪を嘆いていたアラサーの日々に、希望が見えてきた(潮井エムコ)

まさかの不登校を救った友人の電話。号泣し勇気がみなぎるのを感じた(まよまよ)

結婚の1週間前に破談。片想いの彼と暮らすと、12年間が溢れだした(にき)

難題続きの帰国。SOSを受けた両親は大阪から成田まで車を走らせた(はいじ)

「恋人いないでしょ?」。クリスマスに働く私を見て客は爆笑した(野比萌)

エッセイへの感想も、随時Twitterでお待ちしております。
2月も投稿をお待ちしております!