高校生までは大人に理想を持っていた。
それは明るい理想であった。
25歳の私は、バリバリ仕事ができる頼られる人になって、恋愛もうまくいって好きな人と結婚して幸せに暮らす。
当時はこんな理想、「簡単に叶えられる」と思っていたが、今は何一つ叶えられていない。
四半世紀しか生きていないが、「大人になるって大変」だ。
無職の間に自分を見つめなおし、取り繕う必要のなさに気付いた
仕事は医療職を選んだ。
高校生の私は「困っている人を助けたい、病気で苦しんでいる母親の役に立ちたい」と純粋に考えていた。
職場は学校の先生が勧めてくれた場所に素直に就職した。
2年間働いて2回転職した。うつ病になり休職も経験している。
相手の期待に応えようと自分を殺してまで頑張ったことが、自分を疲れさせてしまう原因だったと後で気づいた。
どうやら、私は「社会の中で生きていくのが少し苦手」なようだ。
その後、1年ほど働かなかった。
こんなこともあろうかと、ある程度は貯金をしていたので生活には困らなかった。
無職の間、これまでの自分を見つめ直し、これからどう働いて生きていくのかを考えた。
「もう、無理して自分を繕うのはやめよう」と決め、転職活動をした。
今は違う職業を選び、障害者雇用のパートタイマーで働いている。
「人から頼られる」よりも「人に頼ることができるようになる」を目標に変えた。
人のために働くのではない、「自分が生きていくために自分のために働くのだ」と言い聞かせて。
「結婚=幸せ」ではないからこそ、まずは自分で自分を幸せにする
恋愛は、人並みにしていると思う。
数人の男の子とお付き合いをした。
本当に好きで好きで結婚したいと思っていた相手と別れた。
今は、自分を大切にしてくれる恋人にも出会えて、楽しくお付き合いをしている。
前より「結婚したい」とはあまり思わなくなったが。
私の家族または親戚たちは、結婚してもうまくいっていない。
私は生まれてから両親や祖父母が仲睦まじくしている光景を見たことがない。
むしろ「なんであんな人と結婚したんだろう」と自分の配偶者の悪口をよく言っている。
また親戚たちは離婚をしている人が多い。
そんな大人たちを見て、「結婚イコール幸せ」ではないのだなと気づいた。
もちろん、結婚することで得られることやメリットはたくさんある。
だから世の中の人たちは結婚しているのだろう。
でも、無理に自分が「世の中に合わせて結婚しなくてもいい」と思っている。
まずは自分で自分を幸せにする。
好きな人たちにはたっぷりと愛情を注ぐ。
その上で、結婚するかどうかを考えるつもりだ。
自分で選択し、決定できる力がある。大人になって良かったこと
今回は「仕事」と「結婚」に焦点を当てて、「大人」に対する理想と現実のギャップを書いた。
良くないと思っていることを書いたが、大人になって良かったこともある。
それは「自分で選択し自分で決定できる力があること」だ。
子どもの頃は大人に守られて生きていたため、自分で決められることが少なかった。
大人になった今は、自分が嫌だとかなんか違うと感じたら変えることができる。
自分らしく生きていくことができる。
選択したり決めたり、変えたりすることに伴う責任はもちろんある。
大人とは代償を引き受けるものだ。
自分の感情や感覚は素直に感じられる子どものままで、私は大人になるだろう。