「20代の時にお金を費やしたもので、30代の自分は作られていくよ」と、以前何かのツイートで見た。

私は倹約家。食費も交通費も30円や50円であっても削りたい

私は、基本的には倹約家である。一番顕著に現れるのは食費だ。
美味しいご飯を食べる時間は至福だし、「生きててよかった」と感じることが多い。
だが、とても美味しそうなAセットが1500円で、普通に美味しそうなBセットが1000円だったら、確実にBセットを選ぶだろう。

また、交通費もしっかりと節約したい人だ。30円や50円であっても削りたいので、乗り換え回数が多くても安いルートを選ぶ。
少しでも歩けそうであれば、少し早く家を出て徒歩を選ぶこともある。
友人と一緒にいる時は少しケチな自分を見せたくないので相手に合わせるが、1人でいる時は基本的にこんなスタンスでいる。

「心が動く体験」は人生に彩りを加える上で欠かせないものだと思う

だが、本や映画、演劇、舞台、コンサート、ライブ、フェス、旅行など「心が動く体験」への出費に対しては話が別だ。

心が動かされる、ワクワクするような体験は、人生に彩りを加える上で欠かせないものだと思っている。落ち込んでいる時に心を救ってくれたり、自分を知らない世界へと連れて行ってくれたりするからだ。
なので、「読みたい」「観たい」「行きたい」と感じたものには多少お金を払ってでも体験し、そこでの出会いを大切にしている。それが私がお金を使う上で大事にしている考え方だ。

友人に「来月は〇〇って舞台と、△△のライブに行くんだ」と話すと、「よくそんなにお金があるね」と驚かれることがある。
正直、お金はない。だが、みんながお金を使っているブランドバックやおしゃれな服装、美味しそうなご飯を我慢して、その分を「心が動く体験」に使う。

お金の使い道には「このままでいいのか」と少し心配するようになった時もある。心が動く体験は、たとえ何千円払ったとしても一瞬で終わってしまうからだ。
そんな時に冒頭のツイートに出会う。

夢を叶えるためにも、これからも「心が動く体験」にお金を使っていく

私が映画や舞台にお金を費やす理由は、もちろんその瞬間、その作品を楽しむためである。
だが、もうひとつ。
20代で「素敵な体験」にたくさん出会って自分の五感を磨き、30代でその体験を提供する側に回り、色んな人の心を動かしていきたい、というのが私の密かな夢で、それを叶えるためでもある。
そう考えた時、「今の自分のお金の使い道、間違ってないかも」と考えるようになった。

コロナ禍においては、少し違う理由もでてくる。
先ほど私が並べた映画や舞台、ライブなどは、緊急事態宣言下で「不要不急だ」と括られてしまった。いつか行ってみたいと思っていたライブハウスやお店が経営難で営業を停止したと聞いて、大変悲しくて悔しかった。
「不要不急」で括られてたまるか、という悔しさが行動力となって、規制が緩和されてからは、今まで以上に映画や舞台に足を運ぶようになっている。

自分が行くことによって少しでも文化が続いてほしい。ちょっとおこがましいが、そんな想いも込めて、これからも私は「心が動く体験」にお金を使っていくだろう。