小柄で優しくて。小学生で初めての恋人なんて生意気だったね
小学2年生、あなたに出会って恋をしました。
他の男子より小柄で、眼鏡をかけたあなたに。
誰にでも優しくて言葉が綺麗なあなたは、自分では気づいてなかったかもしれないけど、クラスの女子に人気でした。
小学4年生になった頃、あなたが転校すると聞いて、告白しなければと思いました。当時流行っていたプロフィール帳の最後の欄で告白したら、「オレもすきだよ」と。
お付き合いを始めた頃には、あなたはもう違う学校に通っていました。県内だったけど、小学生のわたしたちにはお金も交通手段も少なくて、毎年バレンタインとホワイトデーに、お互いの母と一緒に会うくらいしかできませんでした。
小学生で、初めての恋人。なんて生意気だったんだろうね。
でも大好きだったね。会えなくても、手紙のやり取りが楽しくて、幸せで、今でもあなたからもらった手紙は全部大切にとってあります。
途中でお互いに携帯を買ってもらってからは、1日何回も会話ができるメールが、とにかく楽しくて楽しくて。
そして中学に進学すると同時に、お別れをしました。
新しい環境できっとお互いに新しい恋をするよね。なかなか会えない中で、ずるずる付き合っていくわけにもいかないし、だからといって自然消滅はしたくないね。話し合った結果のお別れでした。
高校生になってバレンタインに再会。もう一度恋人に
それから4年半経った高校2年生の夏頃。たまたまLINEに友だち登録されていたあなたと、突然トークが始まりました。聞くと、あなたの通う高校とわたしの通う高校が近いようで、同じ電車を使っていると。
それからトークが続き、高校2年生のバレンタインに最寄駅で会うことに。お付き合いしていた頃の小柄な記憶しかなかったけど、背が高くなって、眼鏡がコンタクトになって、少し言葉が汚くなっていました。
なんだか大人になってしまったんだなぁと実感した時には、もう告白していました。
最後に会ったバレンタインから5年。当時よりも上手に作れたチョコレートを渡して、「LINEで話してる間にまた好きになりました。よかったら付き合ってください」。あなたの照れた顔が、忘れられません。
昔よりはお金があって、交通手段があって、知識もあって。
わたしは部活が忙しかったけど、休みを合わせていろんなところに行ったね。ディズニーシーに行くたびに、あなたのことを思い出して幸せな気持ちになります。
中学進学と同時に別れてからもずっと記憶の片隅にいたあなたと、5年の年月が経ってから別々の制服を着て隣を歩ける日が来るなんて。
一番の大恋愛だった。どうか幸せになってください
あなたに病気が見つかったとき、わたしの演奏会に行きたいと入院を遅らせてくれました。わたしが離れた土地の大学を目指すと決めたときは、あなたも同じ土地の大学を探してくれました。
わたしは、断言できます。後にも先にも、これほど愛されることはありません。
ねえ、知ってるよ。
あなたが小学校を転校する日、同じクラスの女の子に告白されてたこと。転校先の小学校でたくさん告白されたこと。全部、わたしがいるからと断っていたこと。
あなたは春から、今の彼女さんと同棲すると風の噂で聞きました。
わたしの人生で確実に一番の大恋愛、大袈裟ではなく世界一の愛をくれたあなたへ。
どうか、どうか、本当にどうか、幸せになってください。