幼い時に転校していったあなたへ
お久しぶりです。
私は、あなたが幼稚園時代と、小学3年生のゴールデンウイーク前まで通っていた小学校の同級生です。
覚えてくれていたら嬉しいな、と思う今日この頃、元気に過ごされていますか?
私はたまに仕事で西日本を中心に1人放浪してる時もありましたが、今は実家のある、あなたが幼少期に過ごしたその地でのんびり生活しています。
もしかしたら、私の名前は漢字が珍しすぎるから、インターネットで調べたら、すぐ私がどこにいたかバレちゃうかもしれないですね。
そもそも、名前を覚えてくれているかすら分からないですが……。
ちょっと前置きが長くなってしまいました。
今日は、あの時あなたに伝えられなかったことを、そしてその後のことを伝えたくて、手紙にしてみました。
写真を見るたびに思い出すあなたに対して、後悔していることがある
あなたと私は幼稚園の年少と小学1年・3年と、1年置きに同じクラスだったのですが、覚えていますか?
まぁ、覚えていないですよね(苦笑)。
幼稚園のアルバムと、小学2年に進級する前、当時の担任の先生がくれたクラス写真はあなたとの思い出が残っているものだから、今でも私は大切に家に残しています。
写真を見る度、「懐かしいな」「元気にしているかな」と、ぼんやりあなたのことを思っています。
そんな私は、あなたに対して後悔していることがあります。
「なぜ、あなたに新しく住むところを聞かずに帰ってしまったのだろう」と。
なんとなくですが、覚えていますか?
ある日の給食のとき、あなたが私を含め何人か席が近かった人たちに転校をすると告げたときのこと。
そして、その時の担任主催で、あなたとのお別れ会をしたときのこと。
泣きそうになるのを堪え精一杯の、私からの別れの言葉として、あなたに「元気でね」「こっち帰ってきて見かけたら声かけてね」って帰り際に伝えたことだけは覚えています。
ずっと連絡を取り続けたかったあなたに伝えたい当時の想い
でもそれから数ヶ月経ち、私が聞きそびれたことがあることに気づきました。
そう、あなたが新しく住むところです。
もしあのとき聞いていたら、たまにですが年賀状や暑中見舞いなど、定期的にお手紙を書いていたことでしょう。
純粋に大人になった今でも連絡をとり続けていきたい、そういう想いを持てる相手があなたでした。
今まで転校や転勤で人を見送る側/自分が見送られる側と様々な立場を経験をしてきましたが、唯一あなたのことを忘れられないことが私にとって最大の悔いです。
私は今大切な人がいるので、過去形にはなりますけれども、ネット社会が発達した今だからこそ、あなたのもとに届くかどうかも、そして、すでにあなたの隣に大切な人が今いるかも、正直なところ離れた地にいる私にはわかりませんが、敢えて伝えさせてください。
「あなたがこの地を離れるまで、ずっと好きでした」
約20年前にあなたと見送った言葉と、今だから伝えられる言葉を送る
きっと何もなかったら中学まで同じ学校で、恋人、友達、どのような関係であれ
自分の目指す未来に向かってお互い切磋琢磨していたことでしょう。
最後に、約20年前にあなたを見送ったときの言葉と、大人になった今だからこそ伝えられる言葉で、この手紙を締めますね。
「もしこっちで私を見かけたら声をかけてね」
「そしてお酒飲みながら、転校してからのこととかいろんなお話を聞かせてね!」
改めて……またいつか会える日がくることを楽しみにしています。
とある幼稚園・小学校の元同級生より。