18歳というのは、学生でありながら選挙権も与えられているなど、大人として見られることもある微妙な年齢だ。
私がそんな18歳になって間もない頃、大人に対する見方が変わる経験をした。

社会勉強がしたかった私の初アルバイトは家電量販店のレジ担当

高校3年間打ち込んでいた部活を引退し、AO入試で専門学校への合格を決め、時間に余裕が出来た私は、バイトを始めた。
人生初めてのアルバイトは、家電量販店のレジ担当。2ヶ月間の短期バイトということもあり、レジ打ちというよりは、カゴを拭いたり商品にテープや持ち手をつけたりするのが主な仕事だった。

特に給料の使い道があったわけではなく、社会勉強がしたかった。その狙いどおり、本当に多くのことを学べたと思う。高校生バイトが他にいなかったためか、職場の人たちは私を可愛がってくれて、気さくに話しかけてくれた。

指導係の方は、働くにあたっての基本を教えてくれた。挨拶すらろくに出来ない上に、覚えの悪い私に対しても、根気強く指導してくれた。
時に厳しい言い方をされることもあったが、それは自分を思ってのことだと伝わるものだった。
もう一人、レジでお世話になった方は、私がミスをしても「指示の仕方も悪かった」と言ってくださり、一方的に私を責めることはなかった。その物腰の柔らかさに、かえって罪悪感を感じたため、ちゃんとしなきゃ、と気を引き締めることに繋がった。

他にも、例えばクレジットカードの仕組みや領収書とは何か、など知っているようで意外と知らなかったことを暇を見て教えてくださった方もいた。その方は、一つ一つの仕事が特に丁寧で、お客さんに対しての親切な対応も参考にしたいと思えた。
当たり前のことなのだが、一人前の大人と同様に扱ってくれたことで、従業員の一員だという自覚も生まれたように思う。

今まで距離を感じていた大人という存在を、働いて身近に感じた

家族や学校の先生ばかりと接してきた私にとって、それ以外の大人と接する機会をもったことで視野が広くなったと思う。
たとえ大人でも将来について不安になることもあると知って、少し身近に感じた。時事ネタや美味しいものの話題は年齢を選ばず共通の話題になり得るということも知った。

共に働く多くの大人に出会って、こんな大人になりたいと感じたというよりは、こんな素敵な大人もいるんだと気づいた、という表現のほうが適しているように思う。今まで距離を感じていた大人という存在を、ぐっと身近に感じた。
初めてバイトをして働いてお金を稼ぐことの大変さを学びました、といったありきたりな感想は抱かなかったが。
それは、学校では、一人で何十人もの生徒を指導する学校の先生からは、学べないことだ。

期待と不安を抱える、大人と子供の狭間。どんな大人になるのだろうか

春から私は、親元を離れ、進学先の学校近くの学生寮に住むことが決まっている。多くのことを一人でこなさなければならなくなる。
4月から、法改正により成人と見なされるということは、出来ることが増えるとともに、成人としての責任も伴うということだろう。

私はどんな大人になるのだろうか。なりたい自分になれているといいなと思う。いくつになっても、自分が好きな自分でいられるように努力し続けていたい。
期待と不安を抱える、まだ大人と子供の狭間の私は、そんなことを考える。