どうしようもなく年上に惹かれる。
20歳になる私の今までの恋愛、もとい片思いをふりかえってみると、決まって年上の大人にばかりに恋愛感情を抱いてきたことに気づく。

いつも好きになるのは年上の大人。沢山の事を彼らから学んだ

小学生の頃、好きになった人は学校の先生だった。
若い体育の先生。内気な私は、話しかけることもできずに目で追うだけ。それでも会えることが嬉しくて、学校に行くのも楽しみだった。

中学生のときも、先生が好きだった。
1年生の時は、ちょっと俺様系の30代の体育教師。人との距離が近い人だったから、近くで話す度に心臓が跳ねて、顔が赤くなっていたことを覚えている。甘い思い出である。
中学2、3年生では部活の顧問が好きだった。30代、運動部の顧問。自分にも人にも厳しかったけれど、ストイックで人一倍仕事熱心な姿勢を尊敬していた。物事の考え方や根性など、あの先生から学んだことは大きいし、何より先生のもとで頑張り抜いた部活動は自分を強くしてくれた。

そして高校生では、40代の塾講師に3年間ずっと思いを寄せた。
数学ができない私を、受け入れて面白がってくれる先生。頭がよくて、誰よりも楽しんで仕事をして、気さくで面白くて、スマートで。最高にかっこいい人だった。
私は彼から積極的に沢山のことを学んだ。受験勉強だけでなく、生き方、考え方。先生のようなかっこいい生き方をしたくて、全て吸収しようと先生の考え方を徹底的に真似した。
おかげで、少しは理想の自分を見つけ、近づくことができたし、以前よりも自分のことが好きになった。

数多の障害があるから、本気で恋を叶えようと動いた経験はない

とまあこんな感じに、私はずっと年上に恋焦がれる人生を送ってきた。
これらの恋が1度も叶っていないことからも分かるように、恋愛において大人との距離というものは果てしなく遠い。
なぜなら20歳も30歳も年上の人に恋をしても、相手がまともな人であればあるほど、その恋は叶わないからだ。相手が独身であっても、その恋を叶えるまでには数多の障害があるし、叶えてからももちろん同じだ。

だから私にはまだ、本気で恋を叶えようと動いた経験はない。絶対に叶わない恋を叶えようとして関係を壊すくらいなら、ささやかな幸せを日々享受して、私も相手もにこにこ笑って過ごした方が幸せだと思ってしまう。自然とそう考えてしまうくらいに、大人とは遠い存在なのである。

当然だが、叶わないとわかっていて想う恋は辛いものだ。楽しい瞬間も沢山あるが、結局は結ばれない。報われない恋ばかり自然に選んでいる自分に呆れることもある。

素敵な大人たちを見て、私の中で「カッコいい大人」が育ってきた

だけど、きっと私は、大人に恋することで、自分になかったものを取り入れ、自分を成長させてきたのだと思う。大人の背中から、多くのことを学んで吸収し、理想の自分に近づく糧にしてきたのだ。

今まで、大人にばかり叶わない恋をしてきた私が思うこと。それは、「カッコいい大人になりたい」ということ。
たくさんの素敵な大人たちを見て、憧れを抱いてきて、私の中で「カッコいい大人」が少しずつ育ってきた。
私も、彼らくらい、努力し日々を大切に積み重ねて、いつか最高にカッコいい大人になってやろう。すぐには手に入れることのできない、揺るがない強さ、かっこよさ。私が彼らくらいの年齢になったときに、努力の甲斐あってそれらを身につけられていたら、それこそ最高だ。

そんなことを考えると、人生って楽しいかもと思う。ちょっと単純だと自分でも思うけれど、私にとってカッコいい大人とは、希望をくれる存在なのだ。
いつか私もそんな存在になれるように、素敵な大人から貪欲に学ぼう。そして後悔しないように、真摯に日々を積み重ねよう。

カッコいい大人の背中が、私にそんなことを教えてくれた。