ひとりで食べることは恥ずかしいことだろうか?
大好きな恋人や信頼のおける家族と食べることは幸せの象徴のように思われるけれど、ひとりで食べる時だって、同じくらい幸せを感じられると私は思う。
なぜなら、人目を気にせず食べることで、食べ物の美味しさにどっぷり浸かることができるからだ。

美味しいもの探しの時間は惜しまず、何を食べるか毎日ひとり会議

まず初めに、私は一般的な人よりもだいぶご飯のことが大好きである。
旅行に行く時にまず検討するのは、ランチやディナーをどこで食べるかであって、Instagramを駆使して本当に美味しそうなお店を探す時間は1ミリも惜しまない。
旅行のような非日常的な時だけでなく、学校に行く前に立ち寄るコンビニでも真剣にお昼ご飯選びに勤しむ。
鶏五目のおにぎりにするか、それともあさり生姜のおにぎりにするか、はたまた半熟煮玉子が入ったおにぎりにするか。いや、でも煮玉子はカロリーが高そうだし、値段も少しお高めだ。やっぱり鶏五目のおにぎりにしよう!
こんな具合で5分くらいコンビニのショーケースの前でひとり会議を開催することもしばしば。どれでもいいや、という考え方は、ご飯に限っては私の辞書にはないのである。

食べ放題の魅力に目覚めるも、友達の目を気にして不完全燃焼

私がご飯がとても大好きなことが、少しは理解していただけただろうか?
そうなると、必然的に食べる量も増えてくるもので、さすがに有吉ゼミの大食いバトルに出るような人達ほど食べれるわけではないのだが、そんじょそこらの女子大生よりはモリモリ食べることのできる胃を、私は手に入れてしまった。
そうなると、1人前の量ではあまり満足できないことも日常茶飯事。そんな私が大好きにならない訳がないのが食べ放題だ。自分の好きなものを好きなだけ食べていいなんて……幸せすぎる!!

食べ放題の素晴らしさに気付いた私は、まずは友達を誘ってあらゆる食べ放題に行った。
中高生の時はお金もあまりなかったから、安めの食べ放題に、だ。スイーツパラダイスにシェーキーズ、すたみな太郎……。
おなかいっぱいになってああ幸せ……となるかと思いきや、意外と私の胃袋にはまだ余裕が。
なぜだと思う?そう、友達の食べる量に合わせてしまうのだ。食にがめつい自分を晒すことが、いくら仲の良い友達でも当時は恥ずかしくて、ついつい食べる量を抑えてしまっていた私。
もっと食べれたのになぁというやるせなさをちょっと抱えつつ、おなかいっぱいだね〜と友達に話を合わせる過去の自分も、それはそれで今思えば可愛いけれど。

「ひとり食べ放題」を思いつくも、否定的な意見に流され実現できず

となると、私は誰の目も気にせずに食べ放題に行きたい、と考えるようになるわけだ。
まずは、どう思われようと何も気にならない家族、特に母をターゲットにしたが、母もパートをしていてなかなか予定が合わないし、そもそも母は大食いではないので無理やり連れていくのもなんだか申し訳なかった。
そこで、それならひとりでいけばいいのでは、という結論に至るわけである。

でも、食べ放題にひとりってあんまり聞いたことがない。
Yahoo!知恵袋で調べてみると、同じ悩みを持っている人は意外と沢山いるもので、「人目なんて気にせずに行ってらっしゃい!」と肯定している意見半分、「ひとりで食べ放題している人を見たらだいぶ引いてしまいますね」なんていう否定的意見も半分。
ああ、どうしよう。こういう時、人は否定的な意見に引っ張られてしまうもので、私は結局ひとりで食べ放題に行く勇気は出ないまま、高校を卒業した。

YouTubeで予習し、ついに実行。最高のひとり時間だった

しかし、大学生になってYouTubeにどっぷりはまり、大食いYouTuberの動画を沢山観るようになると、出なかった勇気が湧くようになった。
彼らは当たり前のようにひとりで食べ放題に行き、さらには動画まで撮影しているのだ。何も恐れることなんかない。

そして私は初めてのひとり食べ放題の地、ミスドに足を踏み入れた。
少し緊張しつつも、注文の仕方や流れはYouTubeで確認済み。何も手こずることなく食べ放題がスタートした。
大好きなドーナツをまずは6つ。オールドファッションにストロベリーリング、エビグラタンパイなどなど。ミスドの食べ放題は甘いドーナツだけでなく、塩気のあるものも食べられるから最高だ。ぺろっと平らげ、次は控えめに3つ。60分の食べ放題は本当にあっという間に終了した。
終わってみて、もっと早く来る決断をしなかった自分に少し後悔した。満腹感を本当の意味で味わうことができ、ひとりで食べていることをとがめてくる人などひとりもいなかった。

自分のしたいことをするのに、人目なんて気にする必要などなかったのだ。ひとりでご飯を食べることも、ひとりで食べ放題に行くことも、恥ずかしくなんかない。
食べ物の美味しさと満腹感を堪能できる、素晴らしい時間を素直に楽しめる最高のひとり時間なのだから。