友達と遊ぶお金を稼ぐために働いたのに、その経験がほとんどない

私が生まれて初めて仕事をしてお給料をもらったのは15才の時だった。
楽しい高校生活に期待に胸を膨らませて入学し、遊ぶお金欲しさに始めた仕事(アルバイト)は家に一番近い某回転寿司チェーン店。週に3回ほど働いていたので、だいたい4万円程度だったと思う。
数ヶ月前まで中学生だった私にとって4万円はとてつもない大金だったので、口座に振り込まれた金額を思わず3度見してしまった。

初めて働くことで大金を得てしまった私は、隙間時間でも毎日アルバイトをすればもっとお金がもらえると気付き、学校に行っている時間以外を全てアルバイトに費やす生活になり、月に10万円以上稼いでいた(後に親に税金の関係で怒られるが、それはまた別の話)。

そんな生活がしばらく続き、ふとあることに気がついてしまった。
「あれ?もしかして私、高校生としての時間を楽しめていない?」
もとはと言えば、高校生として友達と遊ぶお金を稼ぐために始めたアルバイトだったのに、学校以外の時間はアルバイトをしていたので、放課後のカラオケやマック休日に友達と出かけるといった経験をほとんどせずに過ごしてしまっていた。これでは本末転倒だ。

その労働は、人生の1時間(人生の時給)に見合っているのかと考えた

そもそも、高校生という期間は長い人生の中でたった3年しかないのに、その貴重な時間が1時間たったの800円程度の価値として消費されるというのはいかがなものなのか。
高校1年生にして貯金額が数十万もあるのに、高校生としての思い出は授業とテスト勉強しかないことに気づいた頃には、1年生も終わりに近づいている時だった。

それから私は「人生の時給」について考えるようになった。
つまり、1時間の仕事をして得る金額は、貴重な人生の1時間(人生の時給)に見合っているのか、ということだ。
例えば、給料が少なくても自分のしたいことがその会社でしか経験できないのであれば、人生の時給に見合っていると思う。逆にどんなに給料が高くても人生の時給に見合ってないのであれば、辞めた方がいいと思うようになった。

それに気づいた当時は、高校生としての1年間を無駄にしてしまったと悔やんだが、今思い返せば自分の仕事に対する考えが初めて生まれた良い経験だったと思う。

会社に貢献する働き方というより、自分の成長や経験に繋がるかが大切

そんな私も今は21卒として大学を卒業し、もうすぐ今の会社で勤めて2年目になろうとしている。
社会人として生きていると、だいたい8時間は労働時間、通勤時間や残業なども含めると大体12時間。1日は24時間しかないので半分は仕事の時間として使うことになる。宝くじで一攫千金でもしない限り、ほとんどの人は一日の半分の時間を仕事としての時間になっていくと思う。

昔は仕事と言えば同じ会社で定年まで仕事をして、その会社に貢献するという働き方が主流だと思うが、私は会社に貢献するというよりも、その仕事はいかに自分の人生の時給に見合っているか、良い経験となるかが大切だと思う。
もちろん同じ企業で長い間勤めることは、続けることでしかできない経験もあるので大切だと思うが、自分の意見としては人生の時給の基準に見合っていないと思ったり、成長が見込めないと思ったりしたら切り替えて、自分の人生の時間を無駄にしない行動や経験をすることをおすすめしたい。