サービス業の仕事は、私にとって絶好の「自己投資」の場になった

私にとって仕事は、なりたい自分をかなえるための自己投資の一つ。やりたい仕事をすることが目的ではなく、あくまで「なりたい私」を創るための方法の一つ。だから、今いる場さえゴールではない。

そろそろ30代が見えてきた誕生日、ある友人から「りんこは、どうなりたいの?」と言われてから、私は仕事のことを見つめなおすことになった。
小さい頃は、「ケーキ屋さんになりたい」とすぐに言えていたのに、その時はその問いに答えられなかった。
だが嬉しいことに、最近「幸せに寄り添う場をプレゼントし、寄り添える人になりたい」私に出会えて、毎日が楽しい。

私は、毎日ご機嫌な私になりたい、いたい。
私の活力のすべてはここにある。私がご機嫌でいるために、私は何を今日するか、したいか。そして、どう対面する人と向き合うか。そんな発想が日々私の行動を作っている。
私のご機嫌には、ちょっとした緊張感が必要で、そのモチベーションを上げる一つが「仕事」。
どんな時も笑顔で、気持ちよく対応できる私が大好きで、それができる私になりたい。
だから、できることの引き出しを多くしていきたい。引き出しを増やす、それができるのが、仕事だと思っている。

今の仕事は、サービス業。どんな場を、どうやったら提供できるか、またありがいたことに、心地よい場を作り出せる人にあえるチャンスがある。私にとって、絶好の自己投資の場だ。
ここにたどり着くまでに、仕事とのかかわり方で何かと悩んだりした方だと思う。

その仕事でしか、その場所でしか提供できない仕事がきっとある

今の仕事で、3つ目。最初は公務員、次はボランティアセンター職員、そして今の仕事場だ。
2つ目までは、「できる」「したい」「する」重視で選んだ仕事。為すことすべてが具体的な「私のなりたい」姿につながりにくく、「違う」という違和感だけがあった。
1つ目の公務員は、正直のところ、なんとなく選んだ。大学生の時にボランティア活動で地域に関わることが多く、市役所が仕事場である大人が多かった。たくさんの人に関わらせてもらい「できる」経験を積んだこと、こういう仕事をするのも楽しいのかもしれないと思った。

2つ目のボランティアセンターでの仕事を選んだのも同じような理由だ。
2つの仕事はもちろんやりがいもあって楽しかったが、なんだか「違う」という生き心地が悪いと感じることが多かった。

一見、3つも転々と、ふらふらしているようにしかみえないが、これが私と仕事の関係性。
思い返せば、憧れの人に仕事が変わるたびに会いに行っていたとき、その人から「りんこは、今度何になるの?」と言われていたことを思い出した。「あなたは何になりたいの?」と何度も問われていたのだった。
私は積み上げ式で3つもの仕事をさせてもらったが、その仕事でしか、その場所でしか提供できない仕事がある。そんな場に出会い、仕事をする人はカッコいいし、素敵だと心から思う。私は、そんな想いを注ぐ場には出会えていないが、この先出会えても楽しいと思っている。

採用面接で聞かれる「何ができるか」は本当に必要な質問?

これを書きながらふと思い出した。自分の就活のときのこと。
インターンシップ、ボランティア、アルバイト……経験をただ積むことがいいとされていることに対して問いたくなった。あなたは「何ができるか」「何をするか」を過剰に求めすぎではないだろうか。
ボランティアセンターで仕事をしていた時にも、うっすらと感じていた。大学生に「なぜボランティアするのか」という問いに対して高確率で返ってくる言葉で「就活に役立つと思ったから」という言葉。
間違ってもいないし、ボランティアのきっかけはなんでもいいと思っていたが、少し悲しい気持ちもあった。

4月になると、1日で辞める新入社員など、仕事が続かないことがトップニュースとして取り上げられるが、採用面接で散々「あなたは何ができるか」「したいか」ばかり聞かれた新入社員は、「仕事をする私はこうなりたいわけじゃなかった」と「なりたかった姿」とはかけ離れた姿と対面することになるのだから、当然のことだと思う。

もし私が面接官であれば「この場で、どんなあなたになりたいですか」と投げかけたい。
なりたいものから、成したいものが生まれるカタチもあるのではないだろうか。また、あってもいいのではないかと思う。人の成長に寛容な私でありたいと思う。
今は人に会いに出歩くということが憚れてしまうが、誰もが、何も気にせず、会いたいときに、会いたい人にあえる、そして、なりたいと思える人に会える時間が早くやってきてほしいと願う。