2021年、私の推しであるジャニーズグループのA.B.C-Zが、NHKのSDGsキャンペーン「未来へ17アクション」のPR大使に選ばれた。
A.B.C-ZはNHKで生放送のラジオ番組を毎週担当しており、PR大使に任命されたとの発表があった日は、番組のハッシュタグで溢れたえび担(A.B.C-Zのファンのこと)である私のTwitterのTLが盛大に盛り上がったことをよく覚えている。

私は思った。
「なんだかしっかりしてそうなキャンペーンのPR大使に、私たちのえびちゃん(A.B.C-Zのこと)が選ばれるなんて!」
そしてこうも思った。
「ところで、一体全体どんなPRをするんだろう……?」

誰よりも楽に暮らしたいと考える私にとって、SDGsは他人事で…

SDGs。ここ数年でよく耳にするようになった単語だと思う。当時、勤め先の半期の業務目標がこれに絡んだものになったばかりだったこともあり、私はこの言葉が「サステナブル・ディベロップメント・ゴールズ」の略語であることは知っていた。
しかし、私の会社の業務目標と「サステナブル・ディベロップメント・ゴールズ」。はて。
会社からは「自分の業務がSDGsに繋がっていることを意識しながら働くように」とお達しが出たが、私はよく理解できていなかった。そもそも、目の前の生活でいっぱいいっぱいな私にとっては、自分の仕事はおろか、自分の日常がSDGsとどう結び付くのかさえ、本当のところはさっぱり分かっていなかったのだ。

正直に申告すると、私はすごく自分勝手な人間で、出来れば誰よりも楽に暮らしたいと思っているし、面倒なことはしたくないとも思っている。家に帰ってまで仕事で酷使した頭を使いたくないし、自分や家族を幸せにするのに必死で、それ以外の周りのことまではとてもじゃないけど、心に余裕がない。
私にとって『SDGs』は急に現れた概念で、『どこかの偉い人達が勝手に決めた無理難題』、そんな風に、どこか他人事のように感じていたのだ……そう、推しがPR大使になるまでは。

大好きな推しの言葉で表現されるSDGsを、自分事に捉えられるように

そして、推しのラジオ番組内にSDGsのコーナーが出来た。
私はこのコーナーが始まるまでは、少なからず番組時間を圧迫するこのコーナーについて、少しマイナスな気持ちがあった。実態がよく分からないSDGsの話より、彼らが何を食べたとかどこに行ったとか、そんな話が聞きたかった。

けれど、いざ始まってみると現金なもので、大好きな推しの言葉で表現される『SDGs』は、頑なに拒んでいた私の中にごくごく自然に入ってきて、彼らの言葉だから素直に受け入れることができた。

A.B.C-Zと一緒にSDGsの17の目標について学ぶ、という形式のこのコーナーを通して、SDGsにまつわるクイズを彼らと一緒に毎週考える、というPRは、決してSDGsを強要するものではなかった。

しかし、ああでもない、こうでもない、と番組の中で話す彼らの言葉を聞いていると、リスナーである私自身も、自然と自分の生活に置き換えて考えることができた。すると自分とは縁遠く感じていたSDGsが、実はすごく身近な問題に直結していて、難しいことではなくて、何気ない行動の質を高めることが大切なのだと、自然と理解するに至ったのだ。

例えば、SDGs2つ目の目標である『飢餓をゼロに』。『飢餓』と聞くと、なんだか自分とは遠いところにあるようだが、食べ残しをしない、平等に食べ物が行き渡るように必要な分だけ購入する、すぐに食べるものなら賞味期限の早いものから購入する、なんてことも簡単にできることの1つである。

私は夫と二人暮らしなので、以前は、安価だからと購入したファミリーサイズの食材を使い切れずに余らせて、駄目にしてしまうことがあったとしても「勿体ないことしちゃったな」で終わっていた。
でも今は、そもそもそのようなことが発生しないように、冷凍を駆使したり、割高であっても必要な分だけを購入するようにして、食品のロスを防ぐために自分ができることに取り組んでいる。

SDGsは一人一人の気づきと、ちょっとした行動で達成できる

最後に、大好きなA.B.C-Zの皆さんへ。

私は皆さんの活動によって、自分のためだけではなく、自分を含む、私たちみんなの為に何が出来るのかを考えられるようになったと思います。

そして、A.B.C-Zを共に応援しているえび担の皆さんへ。

A.B.C-ZがこのキャンペーンのPR大使を務め始めてから、私のTwitterのTLには、皆さんが普段から取り組んでいるエコな活動や、私でも出来そうなサステナブルなライフハックなど、様々な情報が流れてくるようになりました。
皆さんの意識の高さや、『SDGs』を推進することでA.B.C-Zの活動を応援しようとする真摯な姿勢に触れて、自分の頑なだった考え方が少しずつ変わっていったように思います。

小難しく考えなくても、物事の本質を知って自分の生活をちょっと丁寧に、そして選択肢があるのなら、エコだと思う方を選んで過ごす。『どこかの偉い人達が勝手に決めた無理難題』は、一人一人の気付きとちょっとした行動変容で達成できるのだと、今ははっきりと、そう思います。