2022年の私の抱負は、「サステナブル」だ。
SDGsという言葉を耳にするようになって久しい。
SDGsとはSustainable Development Goalsの略称で、日本語では「持続可能な開発目標」と訳される。
私のいう「サステナブル」というのはこの「持続可能な」という部分に値する。
「SDGs的な生活を送ろう」というのは少し高尚で、私にはハードルが高い。
なぜなら、まだSDGsが掲げる17のゴールや169のターゲットへの理解が浅いからだ。
しかし例えば、物を大事にする、物を大事に使うために本当に必要な物なのか吟味して買い物をする、物を手放すときは誰か他に必要としている人に譲ってなるべくゴミを出さないようにする、といったことなら生活のなかで少し心掛けるだけでできそうだ。
だから、「サステナブル」。
大量生産の影にある人の不幸。そういった世界と私は距離を置きたい
まずは洋服や化粧品など身近なものから実践したい。
環境に配慮した生産を行なっているブランドの物を購入する、というのも応援になっていいと思う。
私がこんなことを考えるようになった理由は、アパレル業界の大量生産・大量消費というサイクルに疑問を持ったからだ。
安く大量に製品を生産するために、途上国では子供が労働者として駆り出されたり、工場が安く大量生産を請け負ったために建物が負荷に耐えられなくなって崩壊し、たくさんの死者が出たりしているという話を耳にした。
一方で、そんな大量に作られた商品も売れ残りは廃棄処分になってしまう。
まさに「消費」のために作られ、売れなければそのまま捨てられていく。その影にはいろいろな人の不幸がある。なんだかおかしな話だなと思った。
それなら私はなるべくそういった世界とは距離を置こう、そういう消費行動を取ることによって、この負の連鎖にNOを突きつけよう。
それが私が2022年に「サステナブル」という抱負を掲げた理由だ。
サステナブルに目を向けたことで、母の大切なものを譲り受けることに
「サステナブルファッション」ということに目を向けてみると、改めてヴィンテージファッションの魅力に気がついた。
何十年も前に作られ、使い続けられている服やバッグ、小物たち……。新品のハイブランドやジュエリーは、まだ背伸びをしているようで、私には馴染まないけれども、使い古され、味が出てきた物たちなら、私が持っても許されるような気がした。
何よりこれから私がまた何十年と大事に使うことができる。そうやって、大事にしようと思えることもヴィンテージの魅力だ。
年末年始に帰省したとき、そんな話を母にしたところ、母が使っていないヴィトンのカバンや、一生懸命お金を貯めて買ったというポメラートのペンダントトップをくれた。同時に形見分けにもらったという祖父の指輪も譲り受けた。
こうやって誰かが大事に使っていたもの、買ったときの思い出が詰まっているもの、職人さんたちが手塩にかけて作ったもの、そういった物語がある物を受け継いでいけることはとても誇らしい。
ハイブランドのものやある程度の値打ちがあるものは、壊れたらお直しに出して、大事に使っていきたい。
「サステナブル」は体験も指す言葉。まずは不要なものを譲ってみよう
私は「サステナブル(=持続的)」ということは、こういった体験も指すのではないかと思う。
だから、自分の身の回りを大事なものであふれるように。まずは不要な物を手放して必要としている人や大事にしてくれる人に譲る。
そして、ゆっくり1軍だけのワードローブを揃えるための計画を立てて、それを数年〜十数年かけて揃えていく。そんな第一歩の1年に今年はしたい。