人に頼ることが苦手。一人でできることは一人でする
「継実さんはしっかりしているね」
地元から出るまで、いや、今もだろうか、昔からこのような言葉をかけられることが多かった。
私は人に頼ることが苦手で、一人でできることは基本的に一人ですることが多かった。
例えば、入学式や学校祭等の準備や後片付けでは、パイプ椅子や長テーブルなど、一人でも持てそうなものは一人で運んでいた。一度に持ち運ぶパイプ椅子は最低4脚、最大で7脚運んだこともある。
部活などの懇親会があった時も、会場でトラブルが発生した際、一人で対応したことがある。みんなはそれを気にせず楽しんでいたが、私一人で解決できそうだったため、気に留めなかった。
勉強面でも、教師以外に頼ることはなかった。高校時代まで、同級生に勉強で分からないところを質問したことがほとんどない。「勉強ができる子」というレッテルが貼られていたせいか、「質問することは恥ずかしい」という、今思えば変なプライドを持っていた。
他にも、「一人で生きられそう」とか「恋愛に興味なさそう」と言われたことがあるが、スルーしていた。
もちろん、人の助けが欲しいと思ったこともある。しかし、「一人でやらねば」と自然に、かつ、即座に脳内変換してしまっていた。
「か弱い女の子」ではなく、「強い女の子」と思われたかったのだ。
今は「一人で」と「みんなで」の見分け方を鍛えている
しかしある日、何でも一人でしようとすることが普通じゃないことに気づいた。
大学2年生の時、不注意でポットに入っていた熱湯が利き手にかかってしまい、火傷してしまった。
私はさほど慌てず、すぐに水道水で手を冷やした。もう片方の手で、大学の保健センターがまだ開いているか、スマホで確認した。
普段は自転車で移動していたが、流石にできないため、大学の保健センターに歩いて向かった。診てもらったところ、保健センターの対応範囲を超えていたらしく、近場の皮膚科で診てもらうことにした。こちらも徒歩で向かった。
病院に着き、皮膚科の先生に診てもらった。塗り薬も処方してもらった。そして、先生に言われた。
「よくここまで一人で来たねぇ」
先生に悪気はなかったのだが、私はなぜか泣きそうになった。たしかに、普通の人はいきなり利き手を火傷したらパニックになるかもしれない。そして、友人やアパートの隣人に助けを求めるかもしれない。中には泣いてしまう人もいるだろう。
そんなハプニングに、私は一人でさらりと対応してしまった。こういう時って、頼るのが普通なのか?
大学入学以降、人に頼らないと乗り越えられない場面が多くなった。社会人になった現在は、なおさらそうだと思う。
もちろん、人に頼ることも必要だけど、一人でできることは一人でやりたい。しかし、昔から染み付いてきた考え方はなかなか直らないし、何より譲れない。現在は「一人で」と「みんなで」の見分け方を鍛えている。
衝撃を受けた曲。言葉にできなかった感情を代弁してくれた
そんな私を後押ししてくれる曲がある。
Juice=Juiceの『「ひとりで生きられそう」って それってねえ、褒めているの?』だ。
初めて聴いた時、雷が落ちたような衝撃を受けた。私が今まで言葉にできなかった感情を、この曲が代弁してくれた。
私をよく知るハロプロファンの友人も「継実のための曲だよね〜」と言っていた。
私の好きなアナウンサーの弘中綾香さんにも刺さった曲らしい。
この曲の歌詞のパワーを借りて、自分の譲れないことを改めて書いてみたい。
「しっかりしてる」「一人で何でもできそう」とよく言われるが、それは私の強がりだ。
本当は助けてほしいときだってあるし、ひとりがとてつもなく寂しく感じることもある。
だけど、強い私でいたいから、自分で自分を幸せにしたいから、意地を張ってしまう。
自分に自信を持って、自分を好きになって、周りの人を大切にしたい。