「誠に遺憾であります」
イカン。また出た。
子どもの時は何言ってるのか、わかんなかった。
おじいちゃんとかがよく言う「これはいかん!」のいかんだと思ってたし。
意味的には、あってる気がする。
これはいかん!イカン。遺憾。
遺憾、ねぇ……。

◎          ◎

私はこの「遺憾」という言葉が嫌い。
結局どういうこと?と思う。
謝るなら謝るで、申し訳ありません。
反論があるならあるで、はっきり言ってほしい。
「誠に遺憾であります」
どうとでも捉えられる便利な言葉。
だけど本当に伝えるべきことは、何一つ伝えてない気がする。
残念に思ったから……何?
悪いことだと思ってるの?
それとも自分には関係ないことだと思ってるの?
悪いことをしたら謝りましょう。
幼稚園児でも知ってること。
大人になると難しくなる人が増えてくる。偉い人なら尚更。

◎          ◎

政治のことは全くわからないし、どうしたら日々の生活が良くなっていくのかなんて考えつかない。
色々考えて実行に移す人たちはすごいな、と心から思う。
普通に働くだけでも大変なのに、国のため、国民のために働くなんて本当にすごいと思う。
そんな私が政治に求めること。
政治家の人たちに求めること。

悪いことをしたら、ごめんなさいって謝ること。
間違えちゃったら正直に言うこと。
誰かの悪口を言わないこと。

これだけ。
小さい時に習った当たり前のこと。今の子供たちも耳にタコができるくらい言われていること。
どんな時代の人たちだって、きっと知っている当たり前のこと。

罵倒が飛び交う国会。居眠りなんて当たり前。
自分の行動に対して曖昧にかわす態度。
騒動を収束させないまま辞職。辞職が責任の代替措置。

こんなこと、日常茶飯事で。
私が見ているのは一部でしかないんだろうけど。
それでも大人なんだからしっかりしてほしい。
「この人たちは何をしているの?」って子どもに聞かれた時に、「日本のために働いてくれているんだよ」って答えられるように、当たり前のことを当たり前にしてほしい。

「これだから政治家は」とか。
「だから日本はダメなんだ」とか。
そんなこと言われないようにしてほしい。
人として大事なこととか、子どもに胸を張れる働き方とか、そういう当たり前を見せてほしい。
「こんな人たちが日本を回してるのか」ってがっかりした感じじゃなくて、「こんなすごい人たちが日本を支えているのか」って思えるように。

◎          ◎

「遺憾」の意味を調べてみた。
残念に思う気持ちで、謝罪の意味はないらしい。
期待していたことが行われず、不満に思うこと。
つまり、最初に期待があることが前提。
今の政治に期待を持っている人は少ない。
年々、少なくなっている気がする。
ってことは、国民が「誠に遺憾であります」と言うことはないのかも。
遺憾を感じたらその人や事業はいつの間にかいなくなってしまうから、なくなってしまった期待が戻ることもない。  

遺憾。イカン。いかん!
「このままじゃいかん!」
こんな風に言ってくれるかっこいい政治をしてほしい。
「誠に遺憾であります」
この言葉を国民が言えて、そして「だけども次になんとかしてくれることを期待しています」って続けられたら素敵なことだと思う。
期待を全部叶えてください、なんて言わないから、せめて期待を持ち続けられるようにしてほしい。
全く政治がわからない私が唯一、政治に求めること。