娘へ。あなたが生まれる前のことのお話をします。
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あなたの存在がわかったのは2015年の4月中旬でした。私は当時18歳大学1回生になったばかりでした。
最初は戸惑いましたが嬉しかったです。そしてすぐに悪阻がやってきました。
母にバレたくない。そうなったらあなたを失うことになるから。だから私は隠すことに日々集中していました。悪阻の時期が大学入学したてで環境変化によるストレスと思われたから、疑惑から逃れました。
吐き気ばかり続くので病院の先生は異変を感じエコーを当てた時あなたの存在を見つけました。
怖かったです。この世の終わりを感じました。身勝手な私は自分を守ることしか考えなかったからとても怖かったです。
しかし病院の先生は私の心と身体を気遣ってくださり後日電話を下さいました。その電話に心が救われました。
それから私は友人たちにカミングアウトはしましたが気遣う友人に傲慢な態度で振る舞い続けました。恥ずかしいことですね。
あなたがお腹にいる時も周りに素直に頼らず無理をし続けることでたくさんの人に迷惑をかけました。皆さん私のことを気遣ってくださいました。今思うととても有難いことでしょう。
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そして夏が過ぎとうとう母に妊娠がバレました。
祖母と話し合いになりました。堕胎を望む祖母から母は私たちを守ってくれました。翌日病院に行きあなたの姿をよくみました。この時期で良かったことは堕胎期間が過ぎていたこと。それはあなたと会えるということです。
病院を後にして私たちが向かったのは私が産まれた病院でした。4Dエコーであなたの姿を見た時は可愛いと思い元気でいてくれたことに強さを感じました。
検診で4Dエコーの日が楽しみでした。そして区役所へ行き母子手帳を頂きそこにいた保健師さんと話をしました。後日担当保健師さんから電話が来てそこから私のマタニティライフは遅いながら始まったなあと実感しました。
保健師さんは新卒の方で私と年齢が近かったので親しみを持てました。彼女は親身でこまめに電話をくださり区役所の妊婦イベントの事や助産師訪問制度を案内してくださりくだらない質問にも丁寧に答えてくださいました。彼女のおかげでママ友が出来て相談出来る環境も出来て自分を肯定することも出来ました。
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あなたが生まれた日は冬の寒い時期でした。
朝からお腹が痛く不快でした。1回病院に行ったけど帰されて再び陣痛に苦しみ病院に行き2時間半後にはあなたに会えました。元気で大きくやっと終わったと思いました。
体力を使ったので感謝より疲れを感じましたが母が分娩室に入って泣きながらあなたの名前を読んだ時涙が出ました。
望まない子だと思っていたのに歓迎されていて良かったという安心でした。あなたはみんなから歓迎されているのです。
未婚の母から生まれたあなたは苦労が多く可哀想な子と私は思っていましたが家族、友達、保育園などのコミュニティ全てにあなたとそして私の素晴らしい部分をみてもらっている。
私たちは全てに恵まれました。私たちは幸せな人間です。
そして最後にあなたへ伝えます。
私を成長させてくれてありがとう。