異動前の部署で関わりがあった別の部署の上司と、2年半ぶりに話す機会があった。
一通り一緒に担当したプロジェクトの思い出話に花を咲かせた後は、今の私の仕事の話題に移った。
昔なじみであることに安心して、異動してからの1年が本当に大変だった話をして、自信を失いかけていると、ついこぼしてしまった。

「前の部署ではすごく活躍していた。だから今の部署でもきっとうまくやれる」
暗い顔をしてしまっていたであろう私に、そうやって励ましてくださった。
応援してくれている人がいること。
それだけで、何とも言えぬ安心感に包まれた。

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異動して1年。
昨年度の1年間は、本当に苦しかった。
新しい部署で、全く違う内容の業務内容の仕事が始まった。
チームの雰囲気もこれまでとは異なり、自分の立ち位置から戸惑った。
初歩の初歩のことすら分からない状況だったが、在宅勤務も多く、あまり話したことのないチームの人に疑問が浮かぶたびに質問を気軽にする勇気もなく、どんどん頭が混乱していった。
もう社歴としては3年を超え、新人とはいえなくなった。
「新人」や「異動してきたばかり」という肩書が免罪符となり、有効なことは知っていたため多用したくなったが、何も知らない人というレッテルを貼られたくなく、あまり使わないようにしていた。

それと同時に、仕事内容が難しくなったからか、思ったようにことが運ばないことが多くなった。
そのたびに「自分はだめだめだな」と落ち込み、自己肯定感を下げていた。
一つの業務をこなすにも分からないことが多く、うまく回せない。自然と業務時間も長くなった。
出社すれば誰かしら摑まえて、溜めておいた分からないことを質問しまくった。
簡単なこともわからない自分が嫌だなと思ったり、質問されたことに答えられない時に情けなく感じたり、社会人1年目の方がプライドがない分、楽だなと思ってしまった。

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何にフラストレーションを感じているのか、何が自己肯定感を下げる原因は何か考えてみた。
前の仕事は、案件を進めることで感謝されることが多かった。それで誰かの役に立てているという実感が湧き、自己肯定感を高められていたのだと気づいた。
今の仕事は、チームとして部署の垣根を越えて目標に向かう必要があり、旗振り役は私の部署の役目だ。
その中で、意見が対立してしまうときは、味方がおらず、一人で戦っているような気持ちになっていることに気づいた。

私は誰かの役に立つことで、やりがいを感じるのに、今の仕事ではほとんど実感できていないので、業務内容に面白みは感じても、機械的にこなしてしまうことに繋がっていることに気づいた。
そこで小さな一歩だが、「これをやると喜んでもらえるだろうな」という作業を先回りして、進んでやるようにした。
すると、感謝の言葉をもらえた上に、こころなしか業務がスムーズに回っているような気がした。

一番大変だった最初の一年を乗り越えたのだから、きっと大丈夫。
挫けそうなときは、そう自分に言い聞かせている。
どこにいても応援してくれる人がいるということを忘れずに、これからも前を向いてがんばっていきたい。