私は20代前半の独身女性。
実は、18歳と20歳の頃に、2人の男性にプロポーズされた。
「結婚しよう」と。
だけれど、結局、結婚しなかった。
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18歳の頃、8歳年上の男性と半年間付き合っていた。
とても情熱的な人で、毎日「愛してるよ」と言ってくれる、私と会うために1時間でも時間があれば会いに来てくれるような、そんな人だった。
ある日のデート、半個室のレストランで、さらっと「結婚しよう」と言われた。
私はまだ当時、大学1年生。
恋愛に興味がなかったわけでもないけれど、誰かと一緒に過ごす人生よりも、まず私の人生をいかに良く生きるか、たくさんあるやりたいことをやれるかが大切だった。
だから、断った。「私はまだ結婚を考えていない」と。
「あなたとの結婚は考えていない」という意味ではなく、「私の人生にまだ結婚のプランもその意志もなかった」という意味で。
彼は「親に孫の顔を見せたい。かおりんは良いママになってくれると思った」と言った。
そうか、この人は「子どもをつくって、誰もが夢見るような家庭を築き、息子として、夫として、父としての役目を果たすために結婚したいんだ」と理解した。
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その後、19歳から3年間付き合った別の彼氏は、5歳年上で、最初の半年間以外は、1万キロ離れた遠距離恋愛だった。
20歳の夏に、彼の部屋で「結婚しよう」と言われた。
ハート形のネックレスとピアスと一緒に。
「いずれ身に着けなくなる婚約指輪はいらない」と私はいつも言っていたから。
男性から女性に渡す婚約指輪は、ダイヤの大きさとカラット数が、まるで交際相手の男性の経済力を表すようで、婚約しても男性側は何も身に着けないのに、女性側だけ身に着ける指輪は、まるで「この女はもう予約済み」と示しているかのようだと思うから。
私は「はい」と返事した。
なぜなら、その頃の私たちにとっては、一緒に生活を始める手段として、「結婚」が一番の近道だったから。
どちらかの国で共同生活を始める上で、どちらか片方は「外国人」として暮らすしかない。その身元を保証する上では、配偶者ビザが一番確実に、その国に在留することが認められ、保証される手段だったから。
だけれど、結局、結婚もせずに別れた。
相手が外国の人だから、「生まれる子どもはハーフだね。イケメンか美女かどっちかしかないじゃん、いいなぁ~」という周囲の友人からの声も嫌ではなかったし、正直、日本では、「高身長、ヨーロッパ顔」のいわゆるイケメンに該当する人と、結婚の約束をしたことで少し得意気な気持ちもあった。
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2つのプロポーズは、私にとって、とても良い経験だった。
「何のために結婚したいと思う?」という質問に答えられなかった私は、2度「結婚しかけた」ことで、その質問に答えられるようになった。
私にとって結婚の目的は、子どもを産むためではない。
社会的に保障された形ではないけれど、結婚しなくても子どもは産めるから。
玉の輿に乗るためでもない。
私は結婚をしても仕事は続けたいし、お金が十分すぎるくらいにある環境では、お金持ちならではの遺産相続の悩みと家族内の争いがあることを知っているから。
「俺のお金で好きに暮らせるよ」と言う男は、無意識に男尊女卑の考えにまみれていることが多いと思うし、パートナーと同じ目線に立ってほしいから。
老後1人で暮らすことが寂しいからでもない。
老後1人で暮らすことは寂しいのだろうけれど、そんな自分のエゴのために、相手を結婚に引きずり込むことは間違っていると思うし、それなら私は、上野千鶴子先生のように、芯のある女性として、赤髪でかっこよく年を取りたい。
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私と相手の幸せのために、家族になって家庭を築くために、結婚したい。
結婚しなくても幸せになれるこの時代で、あえて「結婚」するのは、血のつながっていない2人が、お互いを高めあえて、お互いの弱いところと足りないところを補い合って、支え合えることが奇跡だからだと思う。
2人の幸せに、婚姻制度という法的に保障された制度が合うのであれば、結婚するのが良いと思う。どちらかが病めるときや貧しいとき、その不幸を限りなく小さくするために、結婚したい。
お互いの欠点も愛して、世界からお互いを守り抜くために、結婚したい。
たとえ、周囲が全員、「これは○○が悪い」と言っても、私だけは相手が正しいと言いたい。
たとえ、周囲が全員、「なんでこんな相手と結婚したの」と言っても、私だけは胸を張って、「私に必要な人だから」と言いたい。
幸せと心の健康のために、結婚出来たら、世の中の人は、朝目覚めることをもっと楽しみに人生を歩める気がする。
パートナーと子どもと白いサモエドに囲まれて、緑がある環境で暮らせたらいいなぁと思うけれど、人は生涯成長し続けるように、パートナーとの関係性も成長し続けるから、いつか理想は変わってしまうだろう。子どもよりも2人の生活をずっと大切にしたいと思うかもしれないし、お互いにとって面白い仕事が東京にあるから、ずっと大都会の、星が見えない夜景を見ながら夜を過ごすのかもしれない。
それでも、深い信頼関係にある2人が築き上げる未来が楽しみだから、人は結婚するのだと思う。2人で強くなれるから。