努力は報われる、できないのは努力が足りないから。そう信じていた私が立ち止まったとき、「がんばらない」ことの大切さを教わった。「無敵」と思っていた私を受け入れてもらえなかったとき、私は「謙虚である」ことを教わった。求めていたものを手に入れることができず、かけがえのないものを失ったとき、私たちは改めて自分を見つめ直す。喪失を乗り越えて、前に進むために……7月に掲載されたエッセイのなかから、多く読まれた5本を紹介します。
①留学で知る日本の存在感の無さ。誇りだった国の肖像はたちまちしぼんだ(渡 千里)
あらすじ)私は日本を愛し、誇りに思っている。大学の国際学部で日本の外で働きたい、住みたいという声に囲まれるなか、私は日本の良さやノウハウを世界で役立てたいと、大学を卒業後、ヨーロッパの大学院に留学した。しかし、そこで知ったのは、日本の存在感の薄さだった。
②無敵と驕る私を初めて拒んだ、片思いの幼馴染。それで正解だった(まよ)
あらすじ)自分の意見が通らないことがなく、「傍若無人」だった中学時代。学年で最もモテていた幼馴染みに振られた。彼を好きだったクラスメイトの思いを知りつつの告白だった。そして彼は、そのクラスメイトと付き合い始めた。世の中は思い通りにはいかないと、謙虚さを学んだ痛みだった。
③直接感謝を伝えたかった。会ったことがない命の恩人が亡くなった日(はるまよ)
あらすじ)俳優の三浦春馬さんが亡くなった。彼は「命の恩人」だった。家族を相次いで亡くし、さらに不登校だったとき、彼の舞台を見た。その後も苦難に見舞われながらも、俳優の道をめざして進む私の支えになったのが、彼の作品だった。俳優にはなれなかったが、いつか彼と一緒に仕事をすることを夢見ていた。
④車の購入が決心できない。ディーラーの前で大泣きした私の先延ばし癖(振りむけば雪国)
あらすじ)車が生活に欠かせない土地に住みながら、19歳の時に免許を取得して以来、一度も運転をしないままゴールド免許になってしまった私。大きな買い物をすることにためらい、交通事故を心配し、車を買うのを先延ばしにしてきたが、ついにディーラーで契約書にサインするところまで来た。
⑤鬱病になった私を救ったのは、昔鬱病で苦しんだ兄の言葉だった(史香)
あらすじ)努力は裏切らないと信じていた。できないのではない、やっていないだけだと思っていた。優秀だった兄が鬱病になったときも、兄は苦労をしたことがないからストレスに負けるのだと、心のどこかで少し馬鹿にしていた。しかしその後、私はずっと追いかけていた夢を諦め、就職して数ヶ月で鬱病になり、動くことができなくなってしまった。
7月に読まれたTOP5のエッセイは、このようになりました。
さらに6位以降は次の通りです。こちらもぜひ読んでみてください!
⑥別れの日もいつものように。愛犬に「待っててね」と声を掛けた(花染有咲)
⑦夫の「ひとり時間」を許した私。平気と思いながら、薄れていく気持ち(bonzu)
⑧初デートで煙草を我慢できず、家族優先の彼。「違和感」は許容範囲か(hapiko)
⑨活動休止したアイドルグループ。再結集を願いつつ、彼らの幸せを祈る(hapiko)
⑩パニック障害で退社した私は、輝きたくてグラビアアイドルに転職した(麻倉華)
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