彼の独身生活を考えて「婚約指輪」は断ったけど、やっぱり欲しい

私がいま一番欲しいものは、婚約指輪だ。
去年の春から婚活に励んでいた私は、無事将来の相手に出会い婚約した。

婚約してまず出る話、婚約指輪。私は当初その婚約指輪の用意を断った。理由は金銭的に申し訳ないから。
ただ、決して彼の収入が乏しいとは思っていない。婚約指輪の平均金額は34万円と言われている。20代の彼の月収をゆうに越している。私の月収で換算すると、およそ2ヶ月分。そんな大金を払わせるなんて申し訳ない。
それに、婚約指輪を購入したことで金銭的に厳しくなり、挙式を諦めたり結婚を延期するのは嫌だ。それに残り少ない彼の独身生活、自分の収入は自分のために使ってほしい。結婚したら、家庭のために使うお金が増えて今より自由がきかなくなる。

そんな理由で本当は欲しい婚約指輪を断った。
しかし結婚の話が進むにつれて、私は色々調べるようになった。結婚式場や名字変更手続き、新居の候補など。結婚に関する様々な情報を仕入れていると、必ずと言ってもいいほど出てくるのが “婚約指輪” 。

ネットで同じ気持ちの人を探すと沢山ヒット。やっぱり後悔は避けたい

婚約当初は私には関係ないと思っていた存在。だけど、卒花さんたちの婚約指輪やプロポーズにまつわる素敵なエピソードを見ると、正直羨ましくなった。
婚活で知り合った私たちだから、交際を始めた時点で結婚することになる。だから改めてプロポーズ、というのもなかった。

どちらかといったらシャイでおとなしい彼。多分自分からはプロポーズなんて洒落たことしない。無理してしなくても良い、と思っていた。これも当初の話。
いらない、とはっきり言ってしまった手前、やっぱり欲しいなんて言えなかった。恐れている金銭的理由で諦めるものが生まれるのも避けたかった。
どうしようかな、と私と同じような人がいないかとネットで「婚約指輪 やっぱり欲しい」と検索した。意外にも沢山ヒットした。そして私のように欲しい気持ちを抑えて後悔したという人が沢山いた。

人生で一度きりの婚約。後悔したくない。やっぱり伝えた方がいいのでは?と思った。
考えてみれば、金銭的な問題の可能性も、彼の性格的な理由も、全部私の想像だった。
ねだったらこうなるだろう。こう思われるだろう。全部予想だった。
結婚とは2人が家族として生きていくこと。2人で手を取り合って生きていくこと。そこに独りよがりな考えは適切ではない。

彼に本音を話せて良かった。困ったときは二人で考える家庭を作りたい

うん、やっぱり言おう。言ったうえで、難しいならそれで良い。それなら後悔しない自信がある。
とはいえどう伝えようか。そう考えていたとき、ちょうどホワイトデーが近かった。彼から何が欲しいか聞かれた。ここだ!と思った。
「私、やっぱり指輪が欲しい」
今まで考えていた不安も話した。
2人で出した答えは、平均金額には届かないけど用意する。その分今後かかるお金のどこかを私が負担する。

やっぱり話せて良かった。それは買ってもらえるからではなくて、彼と不安を共有できて良かった。“2人”の答えを見つけられて良かった。
まだ婚約しただけの私たち。これから多くの不安や困難が待ち受けていると思う。困ったときは、1人で抱えるのではなくて、2人で考える。そういう家庭を作りたい。いずれこどもが産まれたら、みんなで考える家族にしたい。
そして明日、私は彼と念願の婚約指輪を見に行く。私のいま一番欲しいものは、もうすぐそこだ。