正直二年前まで、結婚など絶対にしたくないと思ってた。私は一人でいるのが好きで、何より自分の時間がないとイライラしてくる。料理や掃除も得意ではない。二十歳後半になったら、どこかでソロウエディングをしようと考えていた。
しかし、二年経った今、結婚がしたくてたまらない。というのも、本当に心から好きだと思える人に出会えたからだ。
自分のために指輪を選んでくれて、プロポーズしてくれるなんて羨ましい
お互い二十代半ばということもあり、漠然と結婚について話すことが増えた。綺麗なカラードレスや、真っ白なウエディングドレスは、幼稚園生からの憧れだった。多分ディズニープリンセスの影響だろう。いつの間にか、式を挙げたい場所や着たいドレスまで調べていた。まだ、プロポーズさえされていないのに。
私が思うに、結婚とは「憧れ」だ。もちろん賛否両論あると思う。あの紙一枚提出するだけで、その人と死ぬまで一緒にいれるのだ。そして相手も一緒にいたいと思うから、結婚が成立する。SNSを見てると、結婚の報告が増えてきたように感じる。この人は選ばれたんだなと、羨ましくて羨ましくてたまらない。自分のために指輪を選んでくれて、シチュエーションやらあれこれ考えながらプロポーズしてくれる。
尽くしてくれる人がタイプな為、「私のために」一生懸命考えてくれるなんてこれ以上ない幸せだった。尽くされてこそが幸せ、という認識が私の中にあった。もちろん偏見なのはわかっている。友達であるから嬉しい、という気持ちと焦りが、常に私の中にある。もちろん急ぐことではないことも、早ければ早いほど良い、というわけではないことは分かっている。実際、そう言われた。分かってはいるが、心の中では早く一緒にいたいと、指輪を渡されたいと、強く思ってしまっている。
結婚は憧れであり、またギャンブルだとも思う
結婚は憧れ、など可愛いことを思っているが、またギャンブルだとも思う。マリッジブルーという言葉もあるくらいだ。だから離婚がある。婚約したら相手の態度が激変した、という話はネットでごろごろ転がっている。子育てに一切協力せず、そのまま鬱になる女性だっている。私の祖母は、婚約後に祖父に三百ほどの借金があることを伝えられたと言う。別れはしなかったが。
付き合ってる期間に、その人の全てなどわかるはずがない。実は暴力的かもしれない。実は二枚も三枚も、猫を被ってるかもしれない。これはもちろん、女性にも言えることである。
真っ赤な他人と仲良くひとつ屋根の下で住むなんて、実はとんでもなく難しいことなのだと思う。一度でも離婚すれば、世間からは「バツイチ」など言われ、何か難があるレッテルを貼られる。数億人いる中から、たった一人を選ぶ。失敗するのも、当然だと思う。そういう考えの人が、もっと増えれば良いのにと思う。神様が決めたくじ引きのようであるのだから。
好きな人とずっと幸せに暮らしたい、と夢のようなことは言ってられない
親戚が一同集まるのは、葬式と結婚式。という文を前に見たことがある。幼い頃に読んだ小説かもしれない。結婚式は、小さいころから自分を見守っていてくれた方達の恩返しの場なのかもしれない。と、当時に「幸せになってみせます」という決意表明のようなものだと、私は思う。結婚とは、第二の人生でありスタートである。その一日目を、両親や友人、親戚の方に送り出してもらえるなんて、とても幸せなことだと思うのだ。
大きくなるにつれ、「結婚」という現実が見えてきた。好きな人と大きなおうちで暮らして、ずっとずっと幸せに暮らしたい、といった夢のようなことは言ってられないのである。
お金のことや老後のことといった大きなことから、家事分担と言った小さなことまで、ルールを決めて2人で生きていかなければならない。
大変なことの方が多いと思う。イライラするかもしれない。何度も喧嘩するかもしれない。「憧れ」と「賭け」である結婚。長い人生、好きな人へのギャンブルに手を出してみても良いのではないかと考える。