私は、彼氏がほとんどいたことがないことを、周りに隠し続けている。
よく交際人数を語る時に、片手で収まるという表現を使うが、私の場合、指1本で足りる。
周りのイメージとのギャップと、自分がダメな人間だと公にすることになるのではないかと、二の足を踏んで社会人になってから付き合った人数をぼかしてしか公表していない。

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高校生の頃から、彼氏がいないことがコンプレックスだった。
部活仲間には、運動部に所属しているイケメンの彼氏がいた。しかも、みんな揃ってレギュラーで目立つ存在だった。
高校生の時は、彼氏がいることが正義で、自分の価値を証明するのが、彼氏の存在のようだった。
彼氏がいない私は、無価値なのかと考え込んだこともある。

そんな私にも、高校3年生のときに、部活を引退してから仲良くなったクラスメイトがいた。
たまに休日に出掛けたり、一緒に勉強したりする仲になった。
付き合ってはいなかったけれど、恋愛的な話になるたびに、分かってるでしょう、慣れてるでしょうとこちらの考えを押し付けてしまっていた。
きっと彼も経験豊富ではなかったし、シャイなタイプだったので、申し訳なかったと思う。

大学生の頃から、彼氏がいそうと言われることが増えた。
彼氏がいない状態の方が長く、馴染んでいるのか、はたまた充実していそうに見えるのか、彼氏がいないと言うと驚かれることが多い。
アラサーにもなって、彼氏がいないわけがないという色眼鏡で見られているのかもしれない。
恋愛経験を積まないまま、アラサーになってしまった私の最近の悩みは、重いと思われてしまうのではないかということである。

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大学時代の友人と、憧れのシチュエーションを語ると、「意外とロマンチック」だと言われる。
中高生時代に読んだ少女漫画の憧れが抜けていないだけだと思う。
普通は中高生のうちに解消しておく欲であるはずだ。
世間では、私みたいな人を「こじらせている」というのだろうなと思う。

「とりあえず付き合ってみたらいいじゃん」と友人からは言われるが、真面目で責任感が強い性格上、ある程度将来のことを真剣に考えてしまって、付き合わなかったということがある。

とりあえず付き合ってみることができない年齢になった。
最近友人の紹介で新たな男性と出会う機会があった。これまで暫く、新たな出会いはなかったのだが、相手が結婚を考える年齢になったから、ご縁が生まれているのかもしれない。

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自分以外に幸せにしてもらおうと考えていた時期があった。
自分で幸せを掴みに行く気持ちを持っていないと、満足の行く結果にならないと思う。

誰かに自慢できる人と付き合えば、他人からの評価が上がり、承認欲求が満たされるのではないかと思っていた。
顔が良い、学歴が高い、芸能界と繋がりのある人。 
目立たない私が下剋上を狙ったところで、妬みを買うだけだということに最近気づいた。
自分には自分に合う人がいるのだ。

私の恋愛経験が少ないことを、ネガティブポイントとして捉えない人がいると思うので、できるだけ作った自分は見せずに、素の魅力を伝えられるようにしたい。