私のセクシュアリティは何だろうかと、最近考える。
最近、大学内で行われている講座のスタッフ研修会なるものがあり、私もスタッフの一人として参加してきたのだけれども、そこで出会った講師がゲイだった。自己紹介の中に組み込まれ、さらりとビッグなカミングアウトをされた。

初めて、ゲイだという人に出会った。テレビの中でオネエやゲイやレズビアンと呼ばれる人たちを見たことはあるのに、実際にホモロマンティックの人に出会うのは本当に初めてで、私は本当にゲイはいたのだと衝撃を受けてしまった。しかも、イケメンだった。

だからこそ、こうやって文章で自分の価値観について書いてみようと思ったのかも知れない。似たような境遇の人の存在って、やっぱり私に勇気を与えてくれる。

5年で私のセクシュアリティは変化した。多分バイセクシュアルだと思う

ちなみに、私の戸籍上の性別は女性であり、性自認もしっかり女性である。
今まで間違いなく女性として生きてきたと思うし、女性であることを誇らしく思ったことも、女性であることを後悔したこともある。男の人と付き合った経験も3回くらいある。

でも、最後に彼氏がいたのは中学生の時だし、それから5年以上経って高校生活が過ぎ、大学生活が始まって今日まで彼氏がいたことはもちろんなくて。セクシュアリティは流動的なものだと風の噂で聞いたこともあるし、恐らくこの5年の間に私のセクシュアリティは変化したのだと思う。

私は自分以外の女性の、女性としての魅力にすごく惹かれる。最近は特にそう。同じくらいに、男性としての男性の魅力にもすごく惹かれるところはある。
多分、バイセクシュアルなのだ。その性的指向も相まってなのか、私は同性とのキスしか経験がない。

ネットで受けたセクシュアリティ診断。想像以上の数に圧倒された

私は本当にバイセクシュアルなのか。このセクシュアリティで将来苦労することはないのだろうか。結婚、できるのだろうか。
病気でもないのに必要以上に悩んでしまい、ネットでセクシュアリティ診断とやらをやってみた。

ネットから得た情報は必要以上に信じない主義のため、結果も流し見程度でそのタブは閉じてしまおうと思っていたのに、いざ結果を見て思わず目を見張った。
大量の片仮名の羅列に思わず三度見くらいしてしまった。想像以上のセクシュアリティの数に圧倒した。この世界にはヘテロセクシュアルとLGBTQしかいないと思っていた私は、そこでぐわんと世界を強制的に広げさせられた。

ひとつひとつの性的指向に名前が付けられていて、その分類もとても細かい。その中の1つに、アセクシュアルというものがあった。アセクシュアルとは、簡単に言うと、他者に対して性的欲求が沸かないタイプのセクシュアリティのこと。

確かに、私は異性や同性関係なく、恋愛感情は芽生えたとしても性的欲求が全くないし、むしろ気持ち悪いと思ってしまう時もある。
一度だけ、男の友人を家に泊めたときに身体の関係を持ちそうになったことがある。普通のボディタッチとの違いが全く分からなくて、興奮もしないし快感もない。途中から嫌悪感と恐怖と居たたまれなさの方が勝って過呼吸になってしまった。彼は私の身体を布越しに触るだけで終わった。その後もずっと普通に仲の良い友人でいてくれることが唯一の救いだった。

マジョリティに向かう今、いつか胸を張って公言できる世の中に…

この話を仲の良い二人の女友達にしてみたら、あんぐり口を開いて驚いた表情のまま固まってしまった。
でも、そういう人もいるよねと、変わらず普通の友達でいてくれる。これで裏で何か言われていたら立ち直れないくらいに悲しい……。

もし、もう少し早く生まれて、自分のセクシュアリティに疑問を持っていたら、もっと生きづらい世の中だったと思う。
少しスマホで検索してみれば、すぐに大量の記事が表示されるくらいマジョリティに向かっている時代でよかった。まだ胸を張って私のセクシュアリティを言うには勇気がいるけれど、もう少し時間が経ったら、私の性的指向がなんなのかはっきりと公言できる世の中になるだろうか。

今のところアセクシュアルということ以外、決着が付いていない私のセクシュアリティも、いつかはっきりしたらまた何か形に残したいと思う。

今日、新たに見つけたセクシュアリティ診断をしてみようとしたら、メールアドレスの登録を求められて断念した。
やっぱり気になったら、その時にやり直そうと思う。