彼氏がいないことを公表していた会社の先輩に、同期の男性を紹介してもらった。年齢がひと回り違うので、今まで紹介するのをためらっていたと聞いた。
飲み会のかなりお酒が入った段階での口約束だったので、翌々日に連絡が来たことには驚いた。紹介してくれた先輩が、自分から動くタイプではなく、もしかしたらメッセージも返ってこない可能性があると言っていたからだ。
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共通点はマッチングアプリをやっていないことと、恋人がいないことだけで、紹介してもらった手前、話題探しが難しかった。紹介してくれた先輩の話や、先輩から事前に聞いていたわずかな情報で、3日ほどメッセージをやりとりし、まずは食事でも行きましょうという流れになった。
学生が多い街はやめましょうと、相手が予約してくれたのは、まさに隠れ家といったお店で、やっぱり大人だなと思った。世代が違うので、あまりジェネレーションギャップがある話題を話すわけにはいかないと気負った。
話をしていて、やはり人生を少し長く生きている分、色々な経験をしていて、大人の余裕を感じると同時に、年収が半分ぐらいしかない私と付き合うメリットがあるのか、年齢が若いことだけに魅力を感じているのではないのかという考えが頭をよぎった。
職場の飲み会では、私が1番下っ端のため、サラダの取り分けや、ドリンクの注文は率先して行っていた。しかし、注文から取り分け、食べ終わったお皿の整理までやってもらい、まるで兄か父親のようだと感じた。
反省点としては、取り分けてもらったのに、先に食べ始めてしまったときがあったこと。照れてしまって、名前を呼べなかったこと。あとは最初、別の日に約束をしていたのだが、私の予定が入ってしまったため、日程の変更をお願いしたこと。
それにも関わらず、予定を合わせてもらったことに感謝できていなかったことを思い出し、感謝の気持ちを絶対に忘れてはいけないと心に刻んだ。また次に繋げたい場合は、その場で次の予定を決めることが重要だと今更ながら思い知った。
「またね」と言われて舞い上がっていても、次の機会を約束する言葉ではない。社交辞令だという可能性もある。
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常に背伸びをしなければならないのも疲れるし、逆にもっといい人がいるのではないかと別の人が気になってしまう可能性もある。
自分には、年下や同い年より年上の方が合うと思っていたが、ひと回り年齢が違うと甘え過ぎてしまい、友達や家族の距離感になってしまうのだと知ることができた。
もちろん人それぞれ性格や価値観が違うので、一概にはいえないと思うが、今回のご縁ではそのように感じた。
ひと回り分先の人生を生きている人と、人生を共にすると決めれば、心理的にも金銭的にも安心感を得られる。子どもの学費や習い事の資金繰りに困ることはないだろう。家や車も好きなタイミングで買えると思う。
大学生の頃なら間違いなく惹かれていた相手だが、自分のキャリアを含めた将来を描いたときに、共感できない部分がある人の違和感を見逃してはいけないと思った。
幸せを相手に委ねてはいけないと、再確認する機会になったように思う。