年収。単にその人が年間で稼いでる金額の数字でしかないが、その数字は大きく人物評価を左右する。一見見た目が冴えない男性であっても、年収を聞いた途端、目がハートになる女性はいるし、男性だって実はすごい人なんだと一目置いたりする。
あくまでその人物の要素の一つである年収だが、時に容姿や性格をも超越した武器にもなる。

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お金があってトークが出来れば大抵もてるというのはよく言われるが、確かに男性はそうだろう。お金を稼げているということは、それなりに人以上の知識があったり説得力のある話が出来たり、普通とは違った考え方ができる人物なのだろう。
当然、それは数字だけでなく人物の魅力にもつながっているはずだからだ。

しかし、一転女性となると事情は異なる。
普段言うことはほぼないが、年収を言ったとたんに男性の態度が変わる。勿論悪い方にだ。
特に年700万~800万程度で自慢しているような男性たちは、わかりやすく変わる。
「へぇ~すごいねぇ」などと顔を引きつらせて言いながら、「夜とかやってるの?」とか平気で言ってくる。ひどい人になると「パパいるの?」「なんか怪しいことやってる?」「風俗とかやってたり?」などと嫌味をこめて失礼なことを聞いてくる。
男性が1000万以上稼いでても、「すごい」と言われることはあっても、「兼業でホストやってるの?」とか「オレオレとかやってるの?」とか「おばさん相手にしてるの?」などと言われることは冗談以外まずないのにだ。

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たしかに普通にサラリーマンをやっていれば、大手企業であっても年収1000万を超えてくる女性はとても少ない。
理由は明確だ。

女性には結婚、出産、子育てという大きな節目があり、どうしてもキャリアを中断してしまうからだ。大手企業で年収1000万が見えてくる30歳前後から30代半ばは、女性にとっては結婚、出産、子育ての真っ最中の年齢だ。そのタイミングでキャリアを繋げないので、到達しないのは当たり前なのだ。

出産、子育て後のキャリアに優しい企業であっても、年子で2人子供を産み、5年後に復帰した女性に、ずっと働いていたのと同じようないいポジションを与えることはないだろう。仮に与えられたとしても5年もブランクがあれば、流れの早いこの時代に現場の状況をすぐに把握でき、チームをまとめられる強者はそうそういない。
つまり、女性はどんなにやる気があっても男性よりも圧倒的に不利であり、年収を上げづらいのだ。能力の高い女性が年収を上げたければ、出産までに駆け足でキャリアを築いてしまうか、ブランクができないレベルで早期復帰するかしかない。なんともハードだ。

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人によってはキャリアのために結婚や出産をあきらめる人もいる。
男性は30代にバリバリ働いて40代まで独身でも、若い奥さんをもらえば子供を作れる。実質結婚や子作りにタイムリミットはない。
しかし、女性は30代を働いて過ごして40代になると、若い旦那を捕まえても子供を作るのはかなり大変だ。健康であっても高年齢出産は母子ともにリスクを伴う。出産に適したタイミングとキャリアが重なってしまうのだから、子供が欲しければキャリアをあきらめるしかないというのが現実だ。

そんな背景もあって女性の平均年収は男性よりも低いのが当たり前になっているので、中途半端な年収を自慢している男性は、自分よりも低いはずの女性の年収が高いことを受け入れられないのだろう。

つまり年収が高いと、自分よりも年収が低い男性は、ほぼ恋愛対象から消滅してしまう=もてなくなるのだ。がんばって稼げば稼ぐほどもてなくなるっていう、男性と正反対の悲しい女性の立場は笑うしかない。

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じゃあ女性は稼がない方が幸せなの?という疑問が出てくるが、私はそうは思わない。
稼ぐことで自分よりも年収が低い男性には敬遠されるので絶対数は減ってしまうが、逆に年収がさらに高い男性が集まるようになる。
年収が高くなれば、自分の周りのコミュニティが変わる。
稼いでる人の周りには稼いでる人が集まるのだ。
年収が人物の評価を決めることはないが、年収が高い人はやはり考え方やモノの見方など、普通の人以上に考えている人が多く、魅力的な男性が多いのも事実だ。

周りの人物が変わってくるのは、年収を上げることで自分のステージが上がるイメージだろうか?
また今の時代、自分で稼げる力は大事だ。運よく年収の高い男性と結婚できても、そこに依存していた場合、離婚したらすべてが0だ。0になるのが怖いので、どんな嫌なことがあっても別れることもできなくなる。実際そういう女性は多い。

しかし、自分が稼いでいれば、大きな痛手にはならない。
自分である程度以上のお金を稼ぐということは、女性の自立を助ける。
自分の意思を尊重するためにも、女性も多くのお金を稼げるようになろう。