私は20代前半の女性。
実家から職場までは45分で通勤できるから、まだ実家に住んでいる。

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実家暮らしの最大のデメリットは、夫婦喧嘩に巻き込まれることがあること。
幼少期から、大小さまざまの夫婦喧嘩を、子どもとして見てきたけれど、20歳を過ぎたころから、喧嘩中に父親が言う言葉に、違和感や憤りを感じるようになった。
黙っておけばいいということは分かっていても、「それって言い方おかしい」という気持ちが勝り、つい喧嘩に参戦してしまう。
男尊女卑と性別役割の考えが無自覚にも残っている父親のおかげで、私はフェミニストになった。
皮肉にも、「女性なら女性らしく、おしとやかにゆっくり話すべき」と言う父親は、「その言い方って女性を見下している」と感じると、いてもらってもいられない口うるさいフェミニストの娘を育て上げた。

「誰のおかげで生活できると思っている」
働いている父親が、専業主婦の母に対して吐き捨てる言葉。
母は、出産を機に仕事を退職して、専業主婦になった。
キャリアと、女友達とおしゃれなランチに行くようなキラキラした生活を捨てて、家庭に入った女性に対して、「専業主婦でお金を稼いでいないくせに、とやかく言う権利はない」と言い捨てる男が私は嫌いだ。

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橘玲著の「専業主婦は2億円損をする」という書籍が発売後すぐに社会的反響があったように、4年制大学を卒業した女性が、正社員として定年まで働き続ければ、生涯年収が2億円はある。
つまり、4年制大学を卒業して、専業主婦になった女性には少なくとも経済的に「2億円」の価値がある。だから、夫婦としての共同資産や貯金が離婚時に折半されることは当たり前だと思う。
「専業主婦で、血と汗を流さずに楽してお金だけもらって生活しているくせに、離婚して半分もお金を持っていく権利はない」
そう考える男性には、「夫婦としての共同財産は、家庭の維持という仕事をしてくれた妻のおかげで、築き上げられた」という意識が足りないのだと思う。
だから、「専業主婦だからお金を稼いでいない」という、男尊女卑の縮図のような一言には、私は思わず憤慨してしまう。

「専業主婦」がこなす、「見えない家事」を含めた全ての業務を、家事代行サービスに頼むとしたら、当然費用が発生する。
だから、「専業主婦となって、自分自身のキャリアを犠牲にしてくれた妻」がいてくれることで、「家に帰れば夕食が準備してあるからこそ、健康に働けること」にもっと感謝してほしい。
「専業主婦」が「職場」という社会には出ていないけれども、「職場」という社会しか知らない亭主関白の男性は、逆に「家庭」という社会を知らない。
最新型の洗濯機はボタンが多いから、洗濯機の回し方さえ分からなかったりする。
インターホンが鳴って答えても、どのボタンを押せば画面が元に戻るのか分からなかったりする。

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「そんな男勝りな性格じゃ結婚できないぞ」
これは、父が私に対してかける言葉。
人生は結婚だけではない。
結婚をすれば必ず幸せになれるというわけではない。
それは、夫婦喧嘩をしている張本人が一番自覚しているはず。
「男に勝る性格で何が悪いのだろう」と思う。
「男勝り」という言葉は聞くけれど、「女勝り」という言葉が聞き慣れないのは、やはり女性よりも男性の方が立場が上である、という昔ながらの価値観を暗示している気がする。

女性らしさとは何か。
男性らしさとは何か。
その言葉の定義から議論を始めたい気もするが、2022年の現代において、女性か男性かというたった2つの性別に縛られて、
「柔らかくて控えめな話し方だから女性らしい」
「論理的な話し方で声が低いから男性らしい」
といった性別と個々人の特徴を結び付ける行為は時代遅れだ。

私は「頭が良すぎて良くない」らしい。
私は「賢すぎる」からモテないらしい。
そんなことを言われることもあるけれど、私は人並みに恋愛もしてきたし、優秀だから人生、損をしたと思ったことはない。

だから私は声を大にして言いたい。私は、口うるさいフェミニスト。それが最高。