私はクリスマスが大好きだ。
どれくらい好きなのかというと、11月に入ると「クリスマス楽しみだな」が口癖になり、街に出かけてクリスマスグッズを見つけると「ほしいなぁ。でも今年もまた一つ買うと、どんどん増えちゃうしなぁ」と迷いながら結局購入する。

「今年のクリスマスカードを買わなければ」と雑貨屋さんや文房具屋さんを巡り、「クリスマスプレゼントは、何がいい?」と周囲の人々に言い迫り始める。
当の本人はというと、「私はほしいものあまりないんだよね」と言って、周りを困らせる。
もらうよりもあげる方が好きなのは、幼い頃から変わらない私の性格だ。

家族や大切な人の誕生日は、1か月前から「ねぇ、プレゼントなにがいい?」とリサーチを始めるくらい。
だからクリスマスは、誕生日じゃなくても周りの人々に感謝の気持ちを伝えられる一大チャンスで、忙しい日々の中で大切な人の時間をきちんとつくりたいと思う季節。

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クリスマスが好きすぎて、大学生の頃にはサンタさんの通訳をするというアルバイトさえした。それは、百貨店で、子どもたちが本物のサンタさんと写真撮影ができるというイベントだった。

フィンランドのサンタクロース協会から派遣された本物のサンタさん。
私は、フィンランド語はできないけれど、英語ができるということで、日本語が分からないサンタさんと、子どもたちが話せるように、その橋渡し役となった。

我が家はクリスチャンというわけではないけれど、クリスマスはどちらかというと西洋スタイルで祝ってきた。
私はキリスト教系の高校に通っていたし、大学時代の留学先もヨーロッパだった。
今でも、クリスマスが近づくと、つい讃美歌を口ずさみながら街を歩いてしまうくらいだ。

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日本では、クリスマス=恋人との時間というイメージが強いけれど、我が家では、クリスマスは家族団らんの時間。
ただプレゼントが楽しみで仕方がない幼い私と、年の離れた姉。姉は恋人がいてもいなくても、クリスマスイブは必ず実家にいてくれた。
ケーキを作って、家族でディナーを食べて、翌朝起きると、クリスマスツリーの下にカードとプレゼントが置いてある、というのが我が家のクリスマス。

姉が結婚して子供を産んでからも、クリスマスは家族の行事であることは変わらない。
だから、私も、クリスマスに恋人がいたとしても、「クリスマスイブは家族で過ごすから」と宣言している。

クリスマスは、普段は伝えられない感謝と愛の気持ちをカードに綴って、高級ブランドじゃなくていいから心ばかりのプレゼントを贈りあってほしい。

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家族や大切な人宛てにカードを書いて、プレゼントを渡すことがクリスマスだと思っていた。だから、昔付き合っていた人にクリスマスカードを渡そうとしたら、「初めてもらった」と言われたときも衝撃だった。同じ日本という土地に生まれ、同じような公教育を受けたとしても、色んな家族の形があって、それぞれクリスマスの過ごし方は違うんだと知った。

クリスマスの時期にお付き合いしていた人からもらったプレゼントのなかで、今までで一番嬉しかったのは、ヨーロッパで買ってきてくれた、お揃いのクリスマス柄の赤いセーターと、「明らかに子供向けだよね」というくらい派手な飛び出すクリスマスカードだった。

4℃で買ってくれた数万円のアクセサリーよりも、ブランドのお財布よりも、東京の夜景が見下ろせる高層ビルでのディナーよりも、「こんな真っ赤なセーター、普段着れないよね」と笑いながら、クリスマスの時期だけ、休日に2人でお揃いコーデをして、照れながら街に買い物に行く。
それが、私のクリスマスの幸せだ。

お給料1か月分の値段がするプレゼントよりも、予約の取れないお店でのディナーよりも、きっと吉祥寺の女の子しか行かないようなアクセサリーショップの中を行ったり来たりして選んだであろうピアスの方が、心がこもっていて嬉しい。

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そんな私も、実は今、スマホをじっと見つめている。
今の私の大切な人は、すごくまっすぐな人で、寒がりで、ものすごく賢くてクールなキャラクターなのに、もこもこの靴下を愛用しているというギャップの持ち主。

「こんなかわいいくまちゃんの柄の靴下でいいのかなぁ」と少しにやつきながら、同じくまちゃんのルームシューズもセットにしてあげようかと私は悩み中だ。
たった数千円だけれど、この悩む時間さえ愛おしくて、幸せなんだ。