私だけの記念日。それは初めて1人でお出かけをした日と、少し高価なお洋服を買った日。
ひとつずつ、書いていこうと思う。

憧れの人に会うために一人で出かけた、初めての冒険

まず、1人でお出かけをした日について。
あれはたしか、5年前。
人混みが苦手でもともとあまり外へ出ない私が、勇気を出し電車で1時間以上もかかるイベント会場へ足を運んだ。憧れの人に会うために。
方向音痴な私は電車を乗り換えるだけで一苦労。やっと着いたイベント会場はものすごい人で、1人雑踏の中に取り残されたような、そんな不思議な気持ちにもなった。

憧れの人は、SNS上でしか見たことがなかったので、実際会った時のオーラというのだろうか。存在感に圧倒された。確実に、私にとってスターだった。その人が作る作品やファッション感は個性的で、そしてその人を輝かせていた。私にはそれが眩しかった。こんな人がいるのかと衝撃も受けた。
そのとき、急に空気が水になって息が苦しくなるような、世界が変わる心地がした。それは苦しくも幸せだった。
ときめいたんだと、思う。
恐れ多すぎて、一緒に写真撮ってくださいなんて言えなかったけれど、勇気を出して飛び込んだその世界には私の好きな物が溢れていて、ものすごく輝いていた。

それだけ幸せで楽しくても、帰ってきたら疲れてしまって、体調は少し悪くなった。
でも、それでも行ってよかったと心から思えた。そんな憧れの人に会えたことはそれからの日々を変えていった。
そして、1人で憧れの世界に飛び込めたことは自信にもなった。
わたしは1人でも、どこへでも行けるという自信に。
それからというもの憧れの人の元へ何度も足を運び、顔を覚えてもらい、一緒に写真を撮ってくださいと言えるようにもなった。楽しく、会話も出来た。
私の成長であり、今でも大切な思い出。

高価な洋服を初めて買って、私が学んだ大切なこと

2つ目は、少し高価なお洋服を買った日。
私はファッションに対して、少しこだわりが強い。いつも値段とデザインとサイズで悩み、なかなかお洋服が買えない。そしていつものようになかなか欲しいお洋服に出会えていなかった時、それは私の前に現れた。

1枚8000円もするTシャツ。3000円ですら躊躇する私にはかなり高価。でも、デザインがものすごく可愛くてときめいた。すごく迷った。
買わなくてもいいんじゃないかと、何度も思った。
でも、それはあまりにも可愛く、何度も何度も思い出していた。
結局、気に入らないものを沢山買うよりは心が満たされる気がして、購入した。
ネットで購入したから、家に届くまでに時間があり、ずっとワクワクしていた。
そして着てからも私をときめかせ、よく似合い輝かせてくれた。

もちろん値段が高いのはそうだけれど、それ以上にお気に入りを身につけることの大切さを教えてもらった気がした。だってそれを着ている私は、最高に幸せそうだったから。
もちろんは人によると思うし、お洋服に対して動きやすさなどを重視する人もたくさんいると思う。
ただ、ファッションに限らず自分が何に重きを置いて、何にときめき、何に喜びを感じるのか。
つまりは自分の価値観。
それを知っているだけで、理解しているだけで日々満たされたり幸せだと思うことが増えたりするのではないかと私は思った。
だからこれからも私は自分の好きなことを大切に、そしてそんな初めてたちも忘れずに抱きしめていたい。