年明けに結婚を控えたクリスマスイブ、彼とひとつ屋根の下で暮らし始めた。

まだテレビも洗濯機も届いていない部屋には、未開封の段ボールが山積み。
荷ほどき完了の目途はまったくみえていなかったが、一緒に過ごせるのが嬉しくてクリスマスディナーをつくった。今までお互い実家に住んでいたため、手料理をふるまうのは初めてだ。

引越しで限られた時間と体力のなかで用意したのは、ローストビーフとアヒージョ、リース型サラダの3品と、寒空のもと見慣れない街並みで見つけたケーキ屋さんの売れ残りロールケーキ。
おいしいねと微笑む彼と、これからはじまる新しい生活にわくわくしながら乾杯した、独身最後にして最高のクリスマスだった。