「今年のクリスマスは一緒に過ごせない」
君がそう悲しそうな顔で言うから、私は仕方なく受け入れた。
仕事とか、そういう理由じゃなくて、ただ推しに会いに行くため。私と付き合う前に当たってしまったライブなら、仕方ないよね。

だけど、本当は一緒に過ごしたかった。
初めて恋人ができて、初めてクリスマスに過ごす人ができたって言うのに、推しに負けてしまったなんて、我ながら情けない。

君と別々に過ごすクリスマスから、もう四年も過ぎた。今年のクリスマスは、一緒に過ごすことができる。しかも、その推しのライブに私も参戦するのだ。
好きなものを共有するようになったクリスマス。二人の仲も、ずいぶん進展したもんだ。