中学1年生の時に付き合っていた彼とは、クラスが違った。
小学生時代には、給食時間にマスクを忘れ、トイレットペーパーをテープで口に貼っていたようなお調子者の彼。だけど、2人でいる時は「気まずいやん」と顔を赤らめるばかりで、そんなギャップがとても好きだった。

手を繋ぐことはおろか、直接話すこともままならない関係だったけれど、クリスマスの寒い日、自転車で1時間以上かかる山道を通って、私の家までプレゼントを届けてくれた思い出がある。

玄関のドアを開けると彼が立っていて、折り紙を4等分したぐらいの包み紙をぶっきらぼうに手渡された。「部屋に入ってから見て!」って、たしか念を押された気がする(笑)。
中に入っていたのはシルバーのネックレスで、可愛らしいハートがついていた。
どう考えても彼が1人で選んでいる想像ができなかったので、よくよく話を聞いてみると、お世話焼きの男友達と一緒にネックレスを選びに行ってくれていたらしい。
彼がハートのネックレスをお店で買っているところを想像すると、きゅんとした。

あれから13年が経つ。未だに恋人からネックレスをもらった経験は後にも先にもない。
26歳。“結婚”という文字もちらつくお年頃だ。
あの日感じた“きゅん”を超える“きゅん”を感じられる日が、またいつか来ますように。