学校中にも教室中にも、明日から冬休みという緩みきった空気が漂っている12月25日。
窓の外には雪が降っていて、しんしんとした寒さが肌を刺す。
そんな中でいつまでも帰宅せず、燃え盛る教室のストーブの前で、私たち2人は何気なくたむろする。
あなたの隣にはいつも「あの子」がいるのに、今はいない。
あの子は腰まであるサラサラの髪の毛で、いつもニコニコとあなたと話す。
そんな姿を眺めているとあなたがが憎らしくて、殺してしまいたくなる。

でも、今だけは私たち2人だけの時間。そっとあなたの手に触れてみる。
とても冷たくて、触ってはいけないものに触れたような気がした。
すぐに手を離して、なんでもなかったかのように振る舞う。
そして、この気持ちは隠し通さなければいけないと私は誓う。
だって私たちは女の子同士だから……。