「もしも、百万円もらえたらどうする?」
小学生の頃によく友達と盛り上がった話題だ。
お菓子やマンガ、おもちゃを沢山買うと言っていた人に混じって、貯金をするという現実的なことを言っていた人もいた。
小学生の頃の百万円は、とてつもなく大きな金額だった。百万円あれば何でもできると思えたけれども、月のお小遣いが500円だった頃からすると、ある意味現実味のない金額だった。
社会人になっても百万円は大きな金額だ。百万円稼ぐのも数ヶ月かかり、貯金をして、自由に使える百万円を確保するには年単位の時間がかかる。
それと同時に頑張れば手の届く金額になった。
やってみたいけれども、お金がかかると思ってできてないことには、バイオリンや英会話を習いに行く、ゴルフを始める、投資をするなど、やりたいことは多岐に渡る。
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そのなかでも、ちょうど百万円ぐらいでやりたいことがあった。それは歯科矯正だ。
歯が凸凹しているところを直したいのだが、昔歯科医に矯正をして直すほどではないと言われた。矯正をするデメリットの、虫歯などの方が大きくなるということが理由だそうだ。
しかし長年の歪みも加わって、年々歯並びが悪くなっている気がして、笑顔を作る時に人から見られているような気がするようになってきた。
このマスク時代に早く始めて、早く治療を終えたいと思うのだが、なかなか重い腰を上げることが出来ず、今に至っている。1年前に始めていれば、今頃矯正は終了していたかもしれない。
歯科矯正に興味を持ったきっかけは、1年前に会社の後輩がワイヤー式ではなく、マウスピース式の矯正を始めたと言っていたときだ。
取り外しができないワイヤー式ではなく、食事の時に外す手間はあるが、しっかり歯磨きができている感じがあるのが良いと言っていて、大人になっても矯正できるということに魅力を感じた。
その時に後輩は、だいたい百万円ぐらいかかったと言っていて、ポンと出せる金額じゃないなと思ったのが正直な感想だ。
1年前に踏み出した後輩は、しっかりマスクの下で、今頃は矯正を完了させているかもしれない。
だから、百万円貰えたら矯正に使って、自分のコンプレックスを一つでも潰したいと思う。
コンプレックスが一つでも消えると、もっと自分に自信が持てるだろうか?新たなコンプレックスが出て来て、コンプレックス潰しの追求が終わらないだろうか。
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百万円もらったとしても、一緒に時間をもらわなければ最大限有効活用するのは難しいのかもしれない。
ワイヤーやマウスピースの調整の度に歯科医に通う時間を確保することができないことが、今歯科矯正をしていない理由。歯科矯正も他の習い事などと同じく、定期的に歯医者に通わなければならないし、時間がないとできないことだと思った。
新しいことを始めるにしても、時間がなければ十分に楽しめないだろうし、中途半端になってしまうと思う。
百万円の費用対効果を得るためにも、いつ百万円が手元に来ても良いように、自分の自由時間を確保しておき、最大限活用できるようになりたい。