塾講師のアルバイトをしていた時、小学生が私を真下から見上げて「歯の後ろに歯がある~!」と驚きの声を上げた。お姉さん面白いでしょ?と妙に仲良くなれる。

最近は小さい頃から歯並びを直しておくのが当たり前になってきているのか、私ほど歯がガタガタな人は子供にはよほど珍しいものに映っていただろう。

ハードル高すぎ…矯正は夢の夢

永久歯になってからの個性。顎が小さいため、大きな前歯の隣に並んでいるはずの歯は後ろに隠れるように生え、下の歯はその間に上手く収まるように入り組んで生えている。
昔から歯医者の先生に「矯正をしないか」と勧められると、私が今までこの歯並びで生きてきたのを否定されている気持ちになって嫌だった。ワイヤーのがっつりついた歯は見た目がカッコ悪いし、痛いし、食べ物が挟まるし、高いし、歯医者に何回も通わないといけないし、期間も長いし、と嫌なことずくめの矯正なんかしなくてもいい。

私は歯磨きを頑張る代わりに、いつも矯正を断ってきた。口が閉じるから普段困っていることはないし、自信満々に歯を見せて笑っていた。
ただ、お金と時間があって見た目も抵抗なかったら、歯並びがよくなることに越したことはないから、矯正は機会があればやる「夢」の一つだった。

全てパーフェクトなタイミング、最新の技術と母のナイストスに感謝

ずいぶん大人になって、26歳の時にその機会は突然訪れた。
動画視聴にハマっていた母が、大人になってから矯正した男の人の動画を偶然見つけた。「透明なマウスピースで矯正できるのがあるんやって」とコマ送りで歯がどんどん綺麗に並んでいく動画を観て、感心を通り越して感動した。
今まで思っていた矯正と全然違う!私にもできるか分からないけど、相談だけでも行ってみようかなと一気にスイッチが入った。車を買って無くなった貯金も戻りつつあり、新しい職場に変わることが決まっていて休みが取りやすくなる環境も、無職期間にたまたま親知らずを抜いていたことも、全て私がこのタイミングで矯正が始められるように仕組まれていたのではないかと思うくらいに偶然が完璧に重なった。

善は急げと歯医者で相談して、矯正の種類や金額を教えてもらった。実物を見ると、透明のマウスピースは確かに目立たないが、私の歯にぴったりはまるものを作ったら外すときどうするんだろうと思った。アメリカに発注するもので、費用もワイヤーより高くなる。うすうす分かっていたが、すんなりできるものではなさそうだ。
でも、ワイヤーも透明に進化して目立たなくなっていたことは新たな発見だった。やっぱり実物を見に行ってよかった。私はワイヤーで即決し、2年間の矯正がスタートした。

矯正の先生が腕がなるぜ!と喜ぶような症例だった私は、現在はワイヤーが取れてきれいな歯並びを手に入れたが、丁度その頃からずっとマスクをするようになっていたので、以前から私を知る人たちに美人に生まれ変わった姿をお披露目できずにいる。
とても過酷な2年間の話は割愛するが、本当にやってよかったと思っている。

自分に投資するきっかけをくれた母に、食事面で支えてくれた母に、大大大感謝!!