1万円を急に渡されたら何を買う?みたいな企画をYouTubeで見たことがある。
コンビのYouTuberさんの片方が、もう一方に突然しかけるというサプライズ込みの内容だった。
急に渡された側は驚きながらも嬉しそうで、それをカメラにおさめている仕掛け人もどこか嬉しそう。そのあとで買った商品を1つずつ紹介していくのだが、その品々にはその人の感性や人となりが見え、見ている私もほんわかした気持ちになった。
ほんわかしつつも、私にも1万円くれ……と無理な注文を念じてみたりもするのだが、実際に「はい、1万円。今から使い切ってください!」と言われたら上手くできる自信がない。
長考して相手を盛大に待たせた挙げ句、焦ってわけのわからないものを買ってしまいそうだ。少なくとも、お相手にはひと足お先に帰ってもらったほうが良いかもしれない。
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そんな機会は来ないとはわかっていながらも、不測の事態に備えて使い道を考えてみよう。
まず、即行で終了させるなら、欲しかったCDやDVDをポチる。しかしこれでは味気ない。なにより、届くのが遅れるのでライブ感がない。
長く楽しむことを考えるなら、1万円を握りしめて書店に行き、気になった本をどんどんカゴに入れていきたい。……書店ってカゴあったっけ。普段そんな買い方できないから意識してなかった。
しかし、本で1万円は意外とすぐだ。文庫本でも十数冊、単行本だと5、6冊、専門書だとものによっては1冊も買えず、ポケットマネーを追加しなければならないパターンもある。
ちなみに、私が学生時代に最もお世話になった専門書は7000円くらい。当時は必要だから躊躇せずに買ったが、久々に価格を見てびっくりした。卒業後は全く読んでいないけど、今後手放すことはないんだろうなと思う。
閑話休題。あぶく銭らしく、1万円を小銭に換えてクレーンゲームに費やすのはどうだろう。大学生時代ハマっていた時期があり、勝ったり負けたり(結果、負け越し)していたのだが、1体を1500円かけてとったときは、冷や汗をかきながら帰宅したものである。
しかし、クレーンゲームのためだけに存在する1万円があれば、しばらくは雑念がよぎることなく楽しめそうだ。
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1万円も大金だが、案外すぐに使い道の選択肢を思い浮かべられる。しかし、桁が2つ増えたらどうだろう。燦然と輝く1万円札1枚が、100枚中の1枚になっている状態。
東京や大阪に旅行して、行きたいところを全部まわりたいかな……とぼんやり思うものの、それにはどのくらいの金額がかかるのか想像がつかない。なにしろ、飛行機すら予約したことがないのだ。
100万円をすぐに使わねばならない事態になる予定はないが、金銭感覚の幅をもう少し広げたほうが良いのかもしれない。そしてそれは、貯金をする上でもきっと役に立つ。
将来の不安のみを原動力に貯めるのも間違いではない。しかし、例えば100万円を目標にしたとき、それによって何ができるのか、何に備えることができるのかを明確にしておくと、貯金のしがいもあるし、同じ100万円でも余裕が違う気がする。
思ったよりできることが少なくて不安になる可能性もあるが、それならそれですぐ次の計画を立て始めることもできるだろう。
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実際に100万円を手渡されたらどうするか。それに私はまだ答えることができない。
しかし、この「百万円の使い道」というテーマを投げかけられたことによって、100万円に対する現在の認識を知ることができた。
いつか、1万円のときのように案が出せるようになりたいなと思う。