私はとある企業で働く独身、子供なし女性。
寄稿できる最後の年の記念として、そして今の年齢だからこその思いを込めて投稿する。
「私は変わらない、社会を変える」

◎          ◎

働き方改革に逆行している業界。24時間、365日対応。社員の7割以上は女性。私はそんな会社に正社員として勤務している。くるみんマーク取得済み、いわゆる優良企業。
店舗スタッフの頭数は多くても、半数以上は時短勤務。16時くらいから「お先に失礼します」と申し訳なさそうに1人、また1人と消えていく。営業時間は20時。もっと遅くまで開けている所もたくさんある。

残務は一向に片付かず、繁忙日は営業時間が過ぎてからが本番。そもそも人手の足りない僻地の店舗に宿泊応援に行っているのも、外回りの業務もほぼ全て、独身子供なし女性か貴重な男性社員。土日祝日、夜勤、オンコール用の携帯電話の所持も数か月先まで担当が記された表が掲示されているが、いずれも堂々と「時短社員は除く」と書かれている。
要するにプライベートな予定が立てにくく、ほとんどの人が嫌がる役目は全て子供なし女性か男性社員に回ってくるのだ。

◎          ◎

前にいた小規模の店舗で、妊娠していない社員は私だけになった時期があった。
今まで公平に分担していた遅番シフトはすべて私。18時上がりのシフトがなくなり、週1回通っていた習い事は休まざるを得なかった。
帰りにスーパーにも寄れない。それでも所定労働時間は8時間だからと、お給料は全く変わらなかった。
もちろん仕方ないが、勤務中も重いものは運べないからと力仕事も全て私が担うことになり、つわりがひどく休みますとシフトに急に穴をあけられたことも多々あった。それでも「法定の産休期間に入るまでは欠員ではない」と人員の補充もされなければ、ノルマの緩和も皆無だった。

そんな環境が嫌になり、転職したが、根本的な問題は何も解決しなかった。それどころかマスコミが少子化をあおるから余計に子供なし社員には働き辛くなり、さらに追い打ちをかけたのがコロナの流行。コロナ禍では保育園が休園になり、時短社員はほとんど出勤できず、数少ない残りのスタッフで店舗を回した。
時短社員の休み中の給料は全額保証されている一方、私は欠員のでた店舗に東奔西走して昼休憩もまともにとる時間がなかった。

もちろん残っている他の社員も同じような状況で、私はまだ恵まれた方。店長の男性は残務がたまり過ぎて家に帰れず、体重が激減して顔が死んでいた。

それでもまだ会社が頑張りを認め、お給料に反映してくれれば報われる。しかし、コロナによる全体の収益低下と実質出勤できていない時短社員の給料の補填を理由に、私たちフルタイム正社員のボーナスはカットされた。

◎          ◎

子育ては確かに大変だろう。未来の納税者を増やさないといけないのも頭では分かっている。増えた負担に対する人員や手当を出さない会社が悪いのか、そのさらに上流の国家に文句を言えばいいのだろうか……。
“子供を産んでいないことが罰です”と言わんばかりのシフト等、日々の待遇格差。今、書き連ねている現状を実際に声に出せばきっと「マタハラ、少子化が進む」と炎上してしまう。

ちょっと待って。私は別にハラスメントをしているわけではない。
ただ24時間365日の業界で働く、子育て支援の陰で、事実、負担が増えている残された社員側にも目を向け、それ相応の手当てや人員の補填を上に考えて頂きたいだけなのだ。
お互いに心の余裕をもって、双方にとって働きやすい環境にするために。

ただ会社や仕事の不満を飲み友達と愚痴っているだけでは未来は良くならない。
それならばこの今タブー視される問題を意見として最初に私が声を上げよう。
「少子化の今のご時世、仕方ない」などと私は諦めない。根気よく発信し続ければ、いつかは必ず、誰かが受け取って前向きに議論してくれると信じて……私は今日も書き続ける。