結婚はタイミングなんだよと、ある人から言われた。
ずっと待っているけど、そのタイミングは一体いつ来るのだろう。
未来の私には愛する彼氏ができていて、週末はデートをしていて話題のスポットは全部行っている。今頃は結婚しているんだと思っていた。こんなにも上手くいかない恋愛に執着し、自分を卑下しているとは思いもよらなかった。

過去の私が望んでいるものが手に入らない。叶わない。終わりの見えないトンネルをいつまで走っていけばいいのか分からない。
彼氏がずっと出来なかった。彼氏を作るための努力は沢山していたと思う。恋愛系の本を読んだり、コラムを読んで男性心理を勉強した。
メイクだって人並みにしているし、ファッション誌は毎月目を通している。
そんなにチグハグなセンスがない服装はしていないはずだ。

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あの2人がまさか付き合っているなんて知らなかった。女性の方は苗字が代わり、結婚をするそうだ。2人は同期なのか。どんなきっかけがあって付き合う流れになれるのだろうか。
さっぱり分からない。

先日、後輩から好意を持たれていることが分かった。会う度に挨拶をされたり、たわいのないことを話しかけられていた。
別に話しかけなくても良いだろうということまで話しかけてくる。そして目をじっと見つめてくる。その目に熱を帯びている気もして、なんだか私のことが好きなのではないかと薄々感じていた。

ある日、その後輩が私のデスクまで来て、「またお話したい。一対一で。食事でも」と言ってきた。連絡先の交換を求められたが教えたくなかったので拒否した。そうしたら社内メッセージで連絡が来た。最初は他の人も交えて会っても良いかと思ったが段々面倒くさくなり、会うのをやめた。

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後々同僚から聞いた話だが、その後輩は皆にも声を掛けているらしい。
気持ち悪い、キモいと後輩は言っていた。
私は呆然とした。そんな周りからキモいと評判な人に好意を持たれていたのか。一瞬でも可哀想と思った自分が情けなかった。
そして、俺でもイケると思われていたことに怒りを感じた。

結婚を考えなければと真剣に考えて、かねてから気になっていた地域ぐるみで行なっている結婚相談所に登録した。
予約をしたのにもかかわらず30分待たされた。
話の中では関係ない自分の身の上話をされたり、有料の占いを勧められたり、エステを勧められ、不信感を抱いた。

条件ではなく顔だけで判断してみて、と言われて渡されたプロフィールには、自分好みの顔の方は1人もいなかった。
がっくりした。交通費をかけてここまで来たのに。年会費も払ったのに。
合計で足した金額で一度美容院に行ける。美味しいご飯が食べられる。生活費になる。好きなものが思う存分買える。

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仕事ですごくすごく苦しんで、我慢してやっとのことで手に入れたお金。
無駄になったと思ってずっと落ち込んでる。
本当に親身になってくれるのかなと感じた。

苦労なくスムーズに恋愛の機会に恵まれて、結婚できる人が本当に本当に羨ましい。皆が当たり前のようにこなしていることが私にはできない。難しすぎるなと感じた。
未来の私には不安や絶望しかない。
苦しくなるけど、目の前のことを一つ一つこなして日々を過ごしていく。