脈ありと思っていた初めてのバレンタインは、ほろ苦い思い出に
初めてのバレンタインはほろ苦い思い出だった。
幼稚園から幼馴染のK君。毎日連絡をとっていて、中学生の私は脈ありを期待。
夢見心地で意気揚々とガトーショコラを渡すも、「ありがとう。美味しかったよ」だけ。
そこから、連絡は途絶えた。
3年付き合った彼氏には、毎年違うチョコレートをあげていた。
グルメな彼は私が手間をかけて作るスイーツをとても喜んでくれた。
彼のために、使う材料、大きさ、味、ラッピング、ひとつひとつを考える時間がたまらなく楽しかった。
別れる直前は、彼から手作りチョコをもらった。
「麗香ちゃんには2つあげる!彼女だから!」
元々モテる人だったけど、その一言で他に女がいることは十分わかった。
この思い出が、彼氏がいた最後のバレンタイン。
今年は「先手必勝」で。でも勧められたのは「結婚相談所」
テレワークが主流となる今、皆様はどのようなバレンタインを過ごしただろうか?
今年の私は「先手必勝」作戦をとった。
職場では、根回しをしたいおじさんや先輩に量産クッキーを渡した。
気になる先輩(以下S君)に渡すため、同年の女性にもメッセージ付きのラッピングを施した。もちろん、女性の先輩への尊敬や感謝はあるが、S君への好意をオブラートする為である。
S君はすごく喜んでくれた、それはもう目を輝かせて。
大声で「ありがとう!!」。関西弁のイントネーションにキュンとした。
S君は典型的な彼女がイラナイ、リア充タイプ。
休日はいつも野郎飲みをしていて、マッチングアプリもやっておらず彼女もいない。そんなところが好きだ。
だけどバレンタインのお礼LINEがきたのは、イケメンの彼女持ち先輩だけ。
S君からはお礼LINEは来なかった。
なんなら、S君とのランチで「結婚相談所」を勧められた。
私と社外で2回もデートしたくせに。
彼女ずっといないくせに。
土日もずっとYouTube見て暇してるくせに。
敗北の理由は、男女間の「承認欲求」の違いではないか
失礼、取り乱しました。
結局S君には、私の容姿や性格の何かが刺さらなかったのだろう。
先に好きになった私の敗北だ。
社内恋愛の難しさを痛感した。
あ、これ、初恋の人の時と同じかも。そう思った。
バレンタイン。甘いチョコを渡して好意を伝えるピンク色の可愛いイベント。
一方で、男女間で欲しい好意は根本的に異なる。
男の子は「より多くの人から好かれたい」。
女の子は「ある1人の相手に好かれたい」。
永久に交わることのないこの男女間の「承認欲求」の違い。
あなたも一度はこの欲求の差に苦しんだことがあるのではないか?
SNSやマッチングアプリが普及したことで、競合する異性が非常に増えた。
選択肢が増えすぎたことで、目の前の相手を「運命の相手」にする覚悟がつかない人も大勢いる。
もしかしたら、私もその一人かもしれない。
「誠実で一途」は客観的には褒められることだけど、現代では誠実で一途な人ほど苦労するみたい。
バレンタインは、男女間の承認欲求の差、つまり「男のエゴ」が浮き彫りになる、実は怖いイベントなのかもしれない。
来年は、彼氏とチョコレートフォンデュを一緒に楽しめるように、今年はコンビ二でチョコを買うのは控えようっと。