不安が6割、不満が3割、諦めとわずかな希望が1割、それが今の私である。

私は、30歳目前で結婚した。
社会人になった時から、なんなら高校生の時くらいから、30歳になるまでには結婚したいと思っていた。30歳になるまでに結婚し、家庭を築けたらいいなんて淡い期待をしていた。それが叶ったのは確かだ。でも、私はモヤモヤする。

今が幸せの絶頂よ!
今が一番楽しい時だよ!
幸せになれてよかったわね!
新婚って羨ましい!

周りが口々に言うのだ。私の今が幸せだって。果たしてそうなのだろうか。もちろん、結婚したくてしたのだから、嬉しくないわけではない。結婚式だって、教え子やお世話になった人、親戚や家族に祝福され嬉しかった。周りから、自分が大事に思われていたことを再確認することができ、胸が熱くなった。それは幸せなことだと思う。
でも、結婚したから今が幸せというのは何か違う。

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何で今の私が幸せだってことになるんだろう。
本来は結婚直後が幸せな時期なのだろうか。
みんな結婚したては幸せの絶頂なのだろうか。

私にとっては謎でしかない。私には、今の状態では到底幸せとは思えないからだ。
私は結婚式を挙げたものの、まだ婚姻届を出していない。関係的には宙ぶらりん状態だ。彼とは結婚式後も別々に暮らしていて、新婚生活感もない。

年度が変わった後に、彼が私の実家で暮らすことになっている。日頃洗い物やゴミを溜め込む生活をしている彼と、最近専業主婦になり、毎日掃除をするような母。小さな壁の汚れさえ気にしている様子を目にする。そんな2人が一緒のところに住んだらもめるに違いない。私がそこはフォローしなければならないが、私には掛け持ちで仕事があるわけで……そこまでかまっている余裕もない。どうにか打開策を練らなければならない。

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新しい家を建てるために、お金を貯める計画を立て、土地の権利についても調べなければならない。これから積み立てていくために新しい銀行口座も開設する必要がある。そういう手続きは、家族も彼もあまり協力的ではないためほぼ全てを1人で進めなければならない。
「何とかなるでしょ」と他人事のように言われるが、あなたは何とかなっても他の人がそう思うとは限らないと思う。現に私は何とかなるなんて微塵も思っていない。

仕事をしながら、人のことも考え、家のことも考え、先のことも考え、自分のことも考え、右往左往している今は、正直辛い。すごく辛い。

また、彼は子どもがほしい。結婚式まで我慢したんだからいいでしょ!と避妊せずに私に迫る。私が働けなくなったらどうするつもりなのか。こんなに定まっていないことが多く、まだ一緒に暮らしたこともないのに。これほど生活にルーズな人が子どものことを考えられるのか。いや、考えられない。
だって彼自身が「イヤイヤ期とかどうしたらいいかわからんわ。叱ったりできないから、子育ては任せた」なんて言うんだから。

私はこの先が不安で仕方がない。この状況を考えると、うまくやっていけるなんて思えない。何が幸せなんだ。ちっとも幸せじゃない。

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でも、ここからがスタートライン。これからが私の第二の人生の始まり。不安があるから、不満があるからと立ち止まっている場合ではない。

進め、私。切り開け、私。新しい人生の幕開けだ。
不安や不満なんて生きていればたくさんあるに決まっている。
でも、もしかしたら、思っているより大丈夫なこともあるかもしれない。もしかしたら、思っていたより彼が協力的になってくれることがあるかもしれない。もしかしたら、何でもない、穏やかな時間を過ごせる時があるかもしれない。幸せだと思える瞬間があるかもしれない。
これから先、自分で良い策を見つけることができるかもしれない。

わずかな希望を胸に、私は新たな人生を歩み出す。
幸せを、いつか自分でつかみ取れるように。