ここ数ヶ月前まで、人に見られるようなことを始めるときは物事を筋道立てて、計画的に行動しようとすることが多くありました。
なぜかというと、いい格好しようとするから。笑われたり、馬鹿にされたりしたくなかった。

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昔から、なぜか見た目は運動神経が良さそう、らしい私。

小学生の頃、1学期にある体力テストで短距離走がありました。走るのを待ってる間、前に並んでいる女の子に「Himawari ちゃん、絶対走り速いよなー。見た目でわかるもん」と言われる。
万年通知表体育2の私は、本気で否定します。絶対謙遜やん!と言われながら走った後の、あのなんとも言えない反応は今でも覚えています。

楽器もできなかったから、運動会や、音楽会などのイベントごとは大好きなのに、走った後に笑われたり誰かに迷惑をかけることが嫌で、本気で休もうか前日に悩むことは毎年のお馴染みでした。結局いくんですが(笑)。

なぜか昔から、運動神経が良さそうだとか、頭が良さそうだとか、しっかりしてるとか言われるけど、そんなのは全部みかけだけで、通知表の中にある項目で褒められた覚えがあるのは体が柔らかかったことくらい。

別に通知表以外での特技なんてみんないっぱいあるのに、なんて思ったりもしたけど、学校の項目で褒められるような記憶があんまりないので、褒められても疑いの心を持つひねくれた学生になってしまいました(言い訳です)。
自分がもし学校のルールを作れるとしたら、褒めることしか書きたくない(無茶)。

良い格好をしたかったのにできなかった経験は、他にもあります。
私は3歳の頃から、高校生まで、両親の仕事の関係で高校生が住む男子寮に住んでいました。
小さい頃はみんなに妹みたいに可愛がってもらえて、悠々自適に暮らしていたけど、中学生になって思春期突入。料理を覚えたくなる年頃に母親に食堂の厨房で料理を教えてもらう。
そうすると、その中で働いていたパートの人に毎日茶化される。2つや3つ上の高校生の男の子たちにも、男でもできたんやなって言われながら料理を覚えるのは中々いやだった。

結局当時は馬鹿にされたくなくて、母親から料理を教わるのをやめてしまいました。今なら、そうだよーなんて言えるのに思春期ってめんどくさいですね。当時は恥ずかしかった。

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とりあえず、色々できないくせに笑われたくないという要らないプライドが強すぎて、人前に出るようなことをする時には自分がある程度納得するまでは周りに話さず、事後報告で終えることが多くありました。最初はみんなできないところから始まるのに。
なので、完璧だと思うまで待っていたらほとんどのことがなにも起こらないことも、実は心のどこかで知っていました。

私の母親はやりたいことをよく口に出します。言霊はあるよーといいます。そんな母が羨ましかった。
確かに、母親はやりたいことを口に出し、これまで数多くのことを叶えてきているから、立証している。私も最近、えいっ!と勢いで言ってみる。

その中にあった、自分の気持ちを書くことも実際に行動に移してみると、投稿するか、迷いました。
自分の心の中をわざわざ、文章にして人に見せるってどういう趣味?と、ちょっと落ち着いて思ったり、でも、せっかく書きたいんやから書けばいいやんとか、いろんな会話を自分の中でする。誰も自分のことをそこまでみてないし、気にしないのに。

そんな話を親友にすると、載せたらいいやん!もし他の人が馬鹿にしたとしても私は素敵やと思うよーなんて言ってもらえたから、勢いで投稿ボタンを押してSNSに貼ってみることに。

ああ、馬鹿にされるかもしれない、そもそも誰も反応しないかも、と思っていたら、沢山の優しい言葉をもらえました。批判されるかもしれないと思った時にそういう言葉をもらえると、めちゃくちゃ嬉しいんですね。初めて知った感覚。

そういえば、私の周りってそんな優しい人ばかりで、フィルターをかけていたのは自分の心だったことに気づいた。

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だからといって、毎回載せるときは緊張する。
最初は彼にも親友にも載せる前に確認してもらって、大丈夫だよって言ってもらえたら投稿して。めんどくさいし、大袈裟。

だけど、そこで私は、また自分でいい格好しようとする癖に気付く。
もし、この文がおかしかったらどうしようとか、変に見られたらどうしようとか、人の目を気にしすぎると自分を窮屈にさせる。別に上手く書こうとするんじゃなくて、他の人には面白くなくても、自分が書きたいように書けばそれでいいんだ。だから、もう載せる前に確認してもらうこともやめました。

私がこんなことを始めたのは、自分が書きたいことを書きたいからっていう理由もあったけど、1番は、何かを思われるのが怖いっていう被害妄想と苦手意識を克服したかったから。
それは1回じゃなくて、何回もやってみないと当たり前になれない。

知り合いに、昔、突然ティッシュ配りやキャッチのアルバイトを始めた子がいました。
その子はどちらかというと控えめな子で、初めて聞いた時には、イメージにはなかった職種。
理由は、それが1番苦手だったからやってみたかったと言っていました。毎日続けると、人見知りが解消されて苦手じゃなくなることもあるみたいです。

確かに自信がなくても、いつのまにか慣れている自分に気が付くと、どこか清々しい気持ちになりますよね。当時その子のことをカッコいいなとおもいました。

そんなことを思い出して、私も怖いけど、挑戦してみたこともありました。緊張したり、その環境での暗黙の了解や、ルールがわからないから、とにかく、不安で緊張した。

だけど、そこにいた人がその緊張感は日頃感じるものじゃないからいいことじゃんって言われてそんなポジティブな捉え方もあるのかと思った。

自信がなくても、少しのやってみたい気持ちと勇気と直感があれば、そこから開けることは思っていた以上に多いのかもしれない。