「幸運」「ラッキー」なことは大小様々あるが、ライトなもので言うとレアカードが当たったシチュエーションがパッと思い浮かぶ。
夫は某カードのプレイとコレクションの両方をしており、特にコレクションの方は両面に9枚ずつ入るリフィルの大きなバインダーが3冊目に突入し、バインダーに入れていないカードも含めると何冊分になるかわからない。
一方私はそのカードを幼い頃にコレクション目的のみで買ってもらっていたことがあった。コレクションとは言ってもバインダーに収納する知識はなく、父から分けてもらったカードケースに下から上へ積み上げるようにして収納。上の数枚はお気に入りカード(1軍)ということにして、定期的に入れ替えを行なっていた。
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しかし残念なことに、そのコレクションは現在見つかっていない。急にやってくる「なんでもかんでも捨てたい」期の被害に遭ってしまったのか、大して場所もとらない量だったのにどこを探してもないのである。
いろんなところから数枚ずつ発掘されはしたが、そのことが一層「大元を処分した」ことの根拠になり、もう9割9分諦めている。
そんないろんな思い出いっぱいのカードだが、私がしばらく離れている間にデザインも大きく変わっていた。表一面がイラストになっているデザインなんて昔は無かった。
そして強いカードの一面イラストは1箱に1枚以下の確率らしい。私は箱買いまではしないので、単発で買ってそのレアリティを引き当てたらものすごくラッキーなのである。
しかし昨年、なんとその幸運を体験してしまった。それも自分用ではなく夫へのお土産に買ったときに。
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世間でも話題になっているが、某カードは昨今なかなか手に入りにくい。なので売っているのを見つけ次第とりあえず確保しよう、という気持ちになりがちである。
そのとき見つけたのも新弾ではなく、さらに何回か買っているのを見ていたパックだった。しかし全種揃っているわけではないし、被ってもプレイにはむしろ好都合だろうからと購入することに。
買ったのは1、2パックほど。そして自分用じゃないし当時はそこまで熱烈にコレクション熱も無かったので、気軽な気持ちで会計を済ませた。
そのテキトーさが功を奏したのかもしれない。
上述したように、1箱に1枚ほどと言われているレアリティが出てしまったのだ。開封は毎回私にやらせてくれるのだが、自分の手の中にあるカードが初め信じられず、もう少しレア度が低いイラストカードと勘違いしているのかと思ったほど。
さらにそのイラストにはメインのほかに私が好きなキャラ姿もあり、もっと言うとデザイン自体が私の好みだった。
このときほど『お土産って言わなければ……』と思ったことはない。
しかしお土産という大義名分がなければ、当時まだそこまでカード熱が再燃していなかった私は購入すらしなかっただろう。
それに自分用として買ったら物欲センサーによって阻まれていた可能性も大だ。「誰かのために」という思いがあったからこそ、幸運を引き寄せたに違いないのである。
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私はできた人間ではないので悔しさは拭えなかったが、お土産なのだからそのカードも含めて夫のものである。奥歯をギリギリ言わせながらそのカードを贈呈した。
しかし、夫は一枚も二枚も上手だった。なんとそのカードを私に譲ってくれたのである。
「乃亜ちゃんが引いたから、乃亜ちゃんのだよ」
何パックも買ってきてまだ持っていないカードなのに。コレクションも充実するし、プレイでも夫の方がうまく使えるはずなのに……ありがとうございます!!(遠慮というものはないのかね)
しかし偶然、そのカードは私の好きな戦術にぴったりで、現状最も完成度の高いデッキのエースとなっている。そしてこのカードを機に、コレクション熱が高まったのは言うまでもない。