化粧解禁で自分の顔が可愛く見えた。薄い顔は化粧映えする顔でもあった
かがみよかがみとTikTokのコラボ企画。今回は特別企画のため、通常募集時の1500字程度よりも短い180~500字程度のエッセイとなります。
かがみよかがみとTikTokのコラボ企画。今回は特別企画のため、通常募集時の1500字程度よりも短い180~500字程度のエッセイとなります。
私は平たい顔をしている。目が小さく、鼻も低い。
鏡を見るたびに落胆していた。
が、高校を卒業したことで、そのような日々から解き放たれた。化粧が解禁されたからだ。
凹凸の無い薄ーい顔立ちは、化粧映えする顔立ちでもあった。
顔全体にパール感のある紫のベースを塗る。鼻横の赤みが気になる部分だけグリーンのベースを。マットのブラウンシャドウを上瞼に塗り、皮膜式ののりで二重を作る。目頭側の下瞼に白いパールのシャドウを細ーく。涙袋の中心には大粒ラメのベージュシャドウを。目尻側の下瞼には濃いブラウンシャドウで垂れ目ラインを描く……。
まだまだ工程はある。しかし、苦ではない。だって、それらをこなす度に鏡の中の私はどんどん美しくなっていくから。
今は鏡を見る度に驚いている。えっ、この可愛い人が私!?!?と。
「化粧でそんなに可愛くなれるなら、元々ブスではなかったんじゃ?」と思った人もいるかもしれない。
ご安心を。そんなことはない。
元がブスすぎたせいで、今の自分が可愛く見えて仕方ないだけなのだ。所詮は平たい顔の女。横から見たら変わらず真っ平らだ。
でも、大丈夫。そう分かっていても、やっぱり私の目には、しっかり可愛く映る。
世の中にいる美しい人たちには到底敵わない私だけれど、そこそこで十分満足できてしまう。そんな心のハードルの低さも、なかなか可愛い部分だよな、と思う。
かがみよかがみは「私は変わらない、社会を変える」をコンセプトにしたエッセイ投稿メディアです。
「私」が持つ違和感を持ち寄り、社会を変えるムーブメントをつくっていくことが目標です。
恋愛やキャリアなど個人的な経験と、Metooやジェンダーなどの社会的関心が混ざり合ったエッセイやコラム、インタビューを配信しています。