私は文房具が好きだ。
小さい頃から匂い付きの消しゴムや、キラキラの鉛筆、キャラクターが印刷された折り紙が大好きだった。
しかし、親にねだって買ってもらっていた時代には、せいぜい買い替えの必要性に迫られた時に買ってもらうのが関の山で、かわいいと思うもの全部をコレクションをすることは、夢のまた夢だった。
社会人になり、自分で好きに使えるお金が生まれたことで、タガが外れた。

◎          ◎

改めて文房具に目覚めた初期の頃は、引っ越しを控えていたこともあり、本当に気に入ったものを少量のみを買うと決めていた。
やがて引っ越しも終わり、それと同時に文具集めにのめり込んでいった。
色違いのマスキングテープやシールは、一つに決められなくて全て集めるし、1シートに1枚ずつしかないシールはもったいなくて使えないと思い、2枚買ってしまう。
100円ショップでは、新作のシリーズが出るたびに、ノートやデザインペーパーを複数店舗を買って回った。

カラーペンは、書き味を試して色んなメーカーの色んな色のバリエーションを揃えた。
期間限定色は集めずにはいられない。
1年経つ頃には、使いきれないほど集めてしまった。
買い溜めたノートに、シールやマスキングテープでデコレーションをして、カラーペンで書き込んでいる。

◎          ◎

コレクションが好きな一方で、私は熱しやすく冷めやすいタイプだ。
興味を持ったものには、熱量を持って取り組めるし、ドハマリする。
そしてちょっとでも離れるタイミングがあると、それまでの時間のかけ方が嘘のようにパッタリとやめてしまう。

広告で流れたてきたスマホゲームも、「おもしろそう!」と思ってインストールし、時間を忘れて遊んでしまう。
レベルが上がり、クリアが難しくなったときにふと我に返る。
そして時間の経過におののき、やろうと思っていたことが全く終わっていない現実をじわじわと受け入れ、ゲームをしたことに後悔し始めるのだ。

ある程度熱中しても、時間が経てば自然と熱は引き、アプリをアンインストールしている。
すぐに再度熱中することはなく、その訳は頭の中では、時間を浪費してしまったことを覚えていて手が出せないのだと思う。

それなりに熱中してコストや時間をかけたにも関わらず、翌週には興味を失ってしまう可能性を怖れている。

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恋愛にも熱しやすく冷めやすい傾向が出る可能性があると思っていて、いつ飽きっぽさが出てしまうのかとヒヤヒヤしている。

あまりのめり込みすぎて、相手から愛想をつかされてしまうのも、精神的にダメージを負うことになることは分かっているので、初めから恋愛に熱中しすぎないことにしている。
それが「クールだね」と言われたり、相手を不安にさせてしまう要因になっているかもしれない。

カップルのうちどちらかの熱量が大きいと、重いと感じるし、タイミングが合わないと別れの原因にもなる。
趣味と違って途中で投げ出すことが許されないから、臆病になっているに違いない。
恋愛は「熱しやすく冷めやすい」の対象外であってほしいと願うばかりだ。