【今回のエッセイ】

「先生なんか怒っても怖くない!」なんて言われても、生徒が反抗して突っかかってきても、彩られた爪を見つめ、深呼吸して堪えた。

「先生雰囲気変わったね」「彼氏でもできた?」なんて声をかけてくる生徒をあえてサラッとかわして、指輪をぐっとはめた。

高校生から「なめられる」わたしにとって、メイクは身を守る鎧だ

益子寺かおり(以下かおり):投稿者さんの「メイクは武装」っていう感覚、わかるなぁ~!私もおギグ(=ライブ)の時に眉毛を太くして、バッチリメイクに赤いルージュをひくと、戦闘モードのスイッチが入る~♡ウチらはこれを「バブルON」って呼んでるんだけど、当時のメイクにボディコン着て、ヒールを履くと、“無敵のナオン(=女)”になれちゃうんだな~!メイクや服で自分の気持ちをおっ勃てるのって、大事MANなことだよね♡

中尊寺まい(以下まい): わっかる〜〜〜!!ちゃんまいも、100%So!かもね♡

私は全てのヘアメイクを終わらせたフィニッシュにルージュを塗るって決めているんですけど、やっぱりその瞬間から一気に気愛が入りますね。変身できた感覚というか、強くなれた気がする♡

まい「普段のメイクはナチュラル。無意識にオフを作ってるのかも?」

まい:最近思ったんだけど、ベッド・インとして活動し始めてから自分の好みがちょっとずつ変わってきた気がするんです。

昔は派手好きで、原色や大きな柄のものを着ていたり、谷間が見えてボディーラインが出る洋服がスキスキス〜で、メイクも毎日チリバツにキメてたんですよ!

ロンモチで、今でもそういったファッションはDAISUKI!なんだけど、普段のメイクはナチュラルな感じにしたくなってきたし、露出も少ないものを選ぶようになったかも。

 多分、今までの欲求がベッド・インとして活動することで満たされているのかもって言うのと、無意識的に「オフ」を作ってる部分がある気がしますね。

もともと私は結構ステージの上と、日常は分けたい派なんだけど、かおりさんはあんまり変わらないよね?

かおり「ステージもプライベートもデーハーな洋服が好き♡」

かおり:特に意識してなかったけど、そうかも~!パキッとしたカラフルな原色が好きなので、自然と私服もデーハー♡プライベートでもバブル時代の古着を好んで着ていて、当時流行ったアンドレルチアーノとか、色の暴力か!ってくらい派手なFICCEのセーターとか。それをナウく着るのがスキスキスー。ボディコンを日常で着ることもあるし、豹柄のコートとかも普通に着るし(笑)その日の気分に合わせて、欲望のままにハウスマヌカンしているわ…♡そこに「オン・オフ」の感覚はあんまりないかな~。

思い起こせば、そう、それはオタクだった中学時代……漫画を描くことに夢中になりすぎた私は、無意識のうちに身なりが全く気にならなくなってしまった時期がありまして…☆「あんた最近、全身真っ黒の服になってるよ!」って、友人に指摘されて初めてチン事に気づくという…(笑)この“オールブラック事件”がトラウマとなり、「色みがなくなること」=「身なりへの意識が下がってる」という、私独自の“乙女のポリシー”を生んでしまったのかもしれないわ……ジーザス!!そういえば、今でもお家で完全なすっぴん状態になった時は、黒い部屋着が多い気がする~!もしや、これが私の「オフ」!?

まい:つまり、かおりさんってステージを降りてもずっとオンで、部屋に帰って初めてオフになるんだろうね。私はステージを降りたらオフにしたい派なんですけど、ステージ外でかおりさんと接していてもずっと変わらないので、初期の頃は「かおりさんは私の前でも演じてる?気を使わせている?」ってちょっと悩んでたとこもあったんです。本心が見えなかったというか。

かおり:ガビーン!そうだったのね!演じてるつもりもないし、完全に無意識だわ!(笑)。もしかしたら、プロレスラーへのリスペクトの気持ちが、自然とそうさせているのかも…!私、筋金入りのプロレスファンなんですけど、プロレスラーって、それぞれのキャラクター像があって、それを徹した上で戦っているんです。そのプロフェッショナルな精神やエンターテイナーな生き様に憧れて、影響を受けてきまして。

ベッド・インの益子寺かおりさんと中尊寺まいさん
photo:Sakawaki Takuya

それもあって、自分のなかで「こうありたい」という理想像…バブル時代のタカビーで強い女性像が、自然と振る舞いにも表れているのかもしれないわ…♡思春期にコンプレックスが多くて「弱い自分を変えたい!」という願望が強かったことも影響してるのかな。その時その時での理想像に自分を投影しては、見た目も内面も変われるように努力することを繰り返しての、今の自分があるんです。

かおり「オンオフ関係なく、ボディコンやメイクに見合う強い自分でありたい」

昔から、見た目に中身が伴わないのはイヤだと思っていて。たとえば、どんなに着飾って強そうなメイクをしても、身の丈に合わないと、ちぐはぐで嘘くさくなっちゃう。説得力もなくなるし、それこそ投稿者さんの言う「なめられてしまう」と思うんです。だからこそ「このボディコンやメイクに見合う、強い自分でありたい」という意識は、ステージでもプライベートでも、常にありますね。

思えば、ベッド・インを始めた8年くらい前は「タカビーでバブリーなナオンになるぞ!」って気負い過ぎてた部分もあるのかもしれないなぁ~。だけど今となってはもう、自分のなかでは超自然体!おギグも日常生活もSNSでも、どれもありのままの「益子寺かおり」ですね♡タカビーで強気な一方、運動音痴でドジっ子だったり…そんな一面も含めて自分だと思っているわ!(笑)ま、でも「嵐の素顔」を見せるのはベッドの上だけだけどね…♡実際に確かめて…うふふ♡

まい「私はあえてステージと日常でオン・オフ作ってるゾッ♡」

まい:かおりさんは役になりきっちゃう、女優なんだよね。自宅に帰って黒い服着てる時だけ、厄・役落としできてるのかもね(笑)。人生全てオンステージじゃん〜〜〜〜景気いい〜〜!!!!

 私は逆に「ステージ上はかっこいいんだけど、普段は違う」みたいな人に惹かれがち。例えば「ステージではあんなに格好いいのに、普段は冴えない」でもいいし、「ステージではあんなに素敵なのに、裏では女あそびしててヒドイらしい」でもいい。いいギャップでも、悪いギャップでも、とにかく、その人の生き様に嘘がない方がいいと思うんです。人間臭い方がいいというか。

SNSの更新の仕方にもそれは表れているのかなと思うんですけど、おツイ(=ツイッター)はベッド・イン、2人のものだからバブル用語も多めだけど、ちゃんまい個人の淫スタはバブル用語はあえて少なめにしています。個人で受けたインタビューや原稿もそうで、それはパーソナルなことだから。全然バブルじゃないけど、個人のアカウントでなら、日々の普通すぎるご飯をまとめた「♯ちゃんまいめし」をあげていいかなって!

街で声かけられても「ステージより声低いですね」ってよく言われますよ(笑)そういうときは、ステージの「ベッド・イン」と、日常の「ちゃんまい」のギャップを楽しんでいただければと思います♡ ステージで輝くために、私には影が必要なんです。

とにかく、オンオフの切り替え方とか、オンオフをどこで線引きするかは人それぞれDA.YO.NE〜!自分に合った切り替え方を見つけると、きっと日常性活にもメリハリがついて、いろんなことが上手くいくんじゃないかなって思います。

ミニアルバム「ROCK」発射オーライ

踊れる〝ボディコン・ロック〟をコンセプトに掲げてきたベッド・インが、 より激しく、よりセクシーに、ロック要素を色濃く抽出したミニアルバムを完成させた! 作曲家の渡辺和紀氏、渡辺未来氏とふたりが共同制作して作りあげたベッド・イン史上最もハードなナンバー「We Are BEDIN“」や、 おギグでも大切に演奏してきた「SHOW ME POWER」をマンをジして音源化! ベッド・インの新たなるステージを予感させるオリジナル全5曲。

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