一目惚れというと、全くしない人はしないだろうし、どちらかというと特別な表現として使われる事の方が多いと思うけれど、思い返してみれば私が人を好きになる時はほぼ一目惚れだった。
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中学生の頃はとにかく先輩への憧れが強く、体育祭で見かけたバスケ部の先輩に一目惚れをした。一目惚れしてからは毎日が楽しくて仕方なかった。好きな人が出来ると黙っていられないタイプで、友達に話し、バスケ部の同級生に話し、最終的に先生まで知っているような状態だった。
全校集会や行事があれば先輩の姿ばかりを探し、廊下ですれ違えた日なんかは友達と顔を合わせてきゃっきゃっと騒いでいたし、卒業式にはセンチメンタルな曲を聴いては大号泣していた。
ほぼ全く話した事のない人を、先輩が卒業するまでの約2年間本気で好きだったのだから凄過ぎる。今考えれば、一体先輩の何を知っていたというのか。
20代になってからも職場の人気者の先輩、友達から紹介された人など、一目見てなんか雰囲気が良い!とか、好きな映画や音楽がほんの少し同じだっただけで、爆速のスピードで人を好きになっていた。
これは好きな人ができたら、あるあるだと思いたいが、通勤中や家に帰ってふとした瞬間、いや正直に言うと暇さえあれば好きな人と楽しく話している妄想をしていた。現実では上手く話せなかった事を補うように。
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自分は何故こんなにも一目惚れが多く人をすぐ好きになってしまうのか20代後半になって、なんとなく自分なりに冷静になって分析してみると恐らく、楽しいし、傷つかないし、楽なのだ。
叶わない前提で恋を楽しむ。
私の容姿は可愛くない。何か人に誇れるような特技もなく、昔から何をやっても平均以下だった。今もなんとか人柄だけで乗り切ろうとしているが、とにかく自分に自信が全く無かった。
だから、恋愛も憧れの人を遠くから眺めているのが一番楽しかったのだ。
結局我慢しきれず気持ちを伝えてしまう事も多かったけど、叶わない事がほとんどだった。
でも泣きながらも、やっぱりそうだよね。と、自分で自ら答え合わせをしにいっていた。
いつも、こんな私なんてが頭につきまとう。せっかくお付き合いできた人とも自分の自信の無さやネガティブな考えが原因で別れてしまう事が多かった。
結局たくさんの失敗を繰り返した末、こんな自分はやっぱり嫌だとやっと思う事ができた。自分を好きになりたいし、人を好きになった時、結局は叶わないから遠くからなんてもう言いたくない。
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この世の中には魅力的な人が多すぎる。もちろん恋愛に限ったことではなく、友人関係でも。なのでこの先もまたきっと人を好きになると思う。
話したこともないのに、しょっちゅう人を好きになってしまうのは、あんまり良くは無いことのような気がするけれど、人の事を好きになれるのは自分の長所でもある気がする。
だからこれからは、こんな私なんてと思わずあなたと仲良くなりたい、あなたの事をもっと知りたいと素直に伝えて、妄想や想像ではなく目の前にいるその人と、たくさん話せるようになれたらいいな。