大手企業のフランチャイズのカフェで、正社員として働いていた時のこと。

社員は私ともう1人、私より1年ほど先に入社した年下の女の子が私の先輩にあたる。
店長は私が入社した同時期に辞められたタイミングで新しい店長はまだ置かないという形態だった。
私たち社員とバイトスタッフでお店を回していた。

そして、オーナー社長とお店の責任者のマネージャーがいた。
マネージャーはお店に興味が無いようで、あまりお店に顔を出さない人だった。

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飲食店あるあるかもしれないが、バイトスタッフの中には、親の年齢くらいのスタッフもいる。
そのスタッフ方より後に入社したからといって、やり辛いということは無かったけれど、問題はその親くらいの年齢でバイトで働いているおじさんとおばさんだった。

私と比べると、人生経験は豊富だろう。飲食店勤務の経験も長い。それらは確かだと思う。
私より先にそのお店で働いているから、歴だけで言えば、“先輩”と言えるかもしれない。

最初は良かった。
「あなたが店長になりなさい」「あなたみたいな人に店長になってほしいの」と過度に期待をされていた。
でも、おじさんやおばさんはただのバイトだ。
店長になる、ならない、の決定権は無い。

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それが、「店長になって欲しいから」という理由を付けて、明らかに私にだけ強く当たってくるようになった。
それは、私目線の見え方だけじゃなくて、他のスタッフが見ても、そう見えていたそうだから確かだろう。
ちなみに、後になって本人に直接確認したのだけれど、悪意は無いと言う。
悪意は無い、故意ではないなら余計に厄介と言えるだろう。
それくらいは耐えられた。

それがエスカレートして、必要じゃないタイミングで雑用を押し付けられたり、スタッフの前で怒鳴られるようになった。
言っておくけど、私が社員で相手はバイトだ。
何を勘違いされているのか、立場が逆転しているのだ。

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確かに、そのお店での経験は私の方が浅い。
でも、本部の社員の研修を経て、管理職の研修も経て、社員になっている。

周りからは、私に当たっても良いと思われている、言いやすいから的にされているんだ。と言われたけど、そんなの溜まったもんじゃない。

お互い人間だ。調子が良い時と悪い時だってある。
それはお互い様だと思うけれど、これは常習的だった。

話は最初に戻るが、このお店には店長がいない。先輩の年下の女の子社員は、見て見ぬふり。
マネージャーには、詳細に話を聞いてもらったけれど、お店的に人手不足で、そのバイトスタッフにも居てもらわないと困るから穏便に済ませたいそうだ。

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このお店は終わっていると思い、そのお店は即行辞めて、本部の方の紹介で(フランチャイズのため全国にお店がある)同じカフェの別の会社で働くことにした。
お給料は少し下がったのだけれど、パワハラは無くなったし、正当に私のことを評価してくれる会社に入れた。

こちらは、真面目に働いていただけだ。
なのに、どうしてこちらが辞めないといけないのか。
その点に関しては、心底腹立たしかった。
逃げた、と思われるかもしれないけど、本当に辞めて良かったと思う。このような判断は早いに越したことはないし、自分の判断は間違っていなかったと思う。
逃げることが良い選択になることだって沢山あるのだと思う。