先日、大学卒業から約5年ぶりにフラダンス部の同期と会う機会があった。彼女は新卒後、花形の職業に就いており、気立てもよく愛らしく、自慢の友人のひとりだ。
最近の私は「暗髪ボブ」のヘアスタイルなのだが、1年前は「金髪ショート」だった。彼女は「金髪のリサちゃんに会いたかったなぁ〜」と、大学の時から変わらない茶目っ気たっぷりな口調で可愛らしくそう言った。
「私も金髪を続けたかったんだけどさぁ〜!担当の美容師さんから『一旦ブリーチ(脱色)をやめて、縮毛矯正かけた方が髪のおさまりが良くなるので、あと半年はブリーチをガマンしてください』って言われちゃって。だから『それならいっそのことハンサムショートヘアとか坊主にします!』なんて言ったのよ?」と笑って話す私に、彼女は「も〜!早まらないで!」と大学の頃のように私の自虐ネタを笑ってくれた。
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私は何かのタイミングで髪型を変える。美容部員の頃までは肩甲骨までの長さのロングヘアだったのだが、休職して当時付き合っていた彼との別れを決めた際、ボブヘアにするべく15cmほどバッサリ切った。
その次に髪を切ったのはコールセンターの仕事に転職し、また体調不良をきたして仕事を辞める前に、ボブヘアからショートヘアにするべく10cmほど切った。ちなみにこれ、1年おきにバッサリ髪を切るタイミングがあったのだ。
今はベリーショートか坊主にしたいくらい、何かを断ち切りたい衝動に駆られている。それは人間関係なのか、“私”として生まれてきた人生なのか......。
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髪は昔から「女性の命」とされている。有名なミュージカル『レ・ミゼラブル』でファンティーヌという女性が養育費のために自らの髪を切って売るシーンもあるほどだ。
かつて付き合っていた彼の好みだったり、フラダンスのためだったりと肩甲骨くらいまであるロングヘアだった私。
しかし、エッセイで何度か話題に挙げているので、「まだ言うか?」と思われるかもしれないが、19歳の時に父を亡くした出来事は私の人生の中での1番の挫折で、それ以降は正直多くのことがどうでもいいと感じてしまっている。
10年ほど前、中高時代に友人が「将来、結婚式のバージンロードはパパと歩くんだ」と嬉々として話していたのだが、もし私の目の前でそれを叶えてしまわれたら、はらわたが煮えくりかえるどころでは済まない気がする。
そんなこんなで、あの19歳の日から「30歳になったら出家して尼になるか、シスターになる」なんて言っているのだ。
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不思議なことに、そんな夢を語っていた友人たちも子どもができると私くらいのボブヘアになっていく。もちろん自分に構う暇がなくなるからロングヘアをバッサリ切ってボブヘアになるのだろうけど。
髪型を変えるという行為は、私だけではなく多くの女性が何かのタイミングをきっかけにしている可能性が高い。
「前髪失敗したから、髪切ったかどうかを聞かないでほしい」なんて、女子高生みたいなことを言っている人はさておき、女性が髪型を変えたら少なくとも心境や環境の変化があるはずなのだ。
あなたの周りに髪型を変えた人がいたら、それとなく何かに困っていないか気にかけてあげてほしい。