美容整形を軸に見たとき、私がどういう人間であるかを言うと、「それなりに施術は受けているわりに、そこまで女としての完成度は高くない人間」だ。
そういう人って意外といるとは思うのだけれど、それでもやっぱり整形といえば、SNSで有名なキャバクラ嬢とか、そういう雰囲気の人を想像してしまう。世の中的にもそうだろうし、当事者である私自身も、他者に対しては同じように思ってしまう。

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一番最初に受けたのは、埋没法の二重形成。初めての整形としては、非常にベタである。元からアイプチで二重を作って生活していたので、その手間がなくなり、すっぴんでも二重でいることが出来て万々歳であった。

次に受けたのは、ホクロ除去。顔にあるホクロを2つ取った。鼻筋のど真ん中にあったホクロがなくなったので、それは良かった。けれど、もう1つの右目の下にあったホクロは復活してしまった。紫外線を浴び過ぎたせいかもしれない。私が選択したのはレーザー治療だったのだけれど、当ててもらっているとき、焼肉みたいな匂いがした。人間も肉の塊なんだなぁということを実感した瞬間だった。

その次は、エラボトックス。これは非常に満足度が高かった。元々かなりエラが張っていた私には、大きな効果があった。大手の美容クリニックで、クーポンを使いまくって安ーく抑えたのだけれど、仕上がりには何の不満もない。「鏡で見た自分の姿に比べて、写真に撮られたときの姿がやけにブサイクに見える」というのはあるあるだと思うのだが、このギャップが良い意味で少なくなったのだ。前まではいちいち「うげっ、私ってこんなんなのか」となっていたのが、「まあ、こんなもんだよね」と納得できるくらいになった。半年に1回ほどのペースで打ち続けて、もう3回受けている。

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次が、目の下のクマ取りだ。私が携えていたクマは「黒クマ」と呼ばれるクマで、下まぶたのたるみによって現れるタイプのものだった。そのため、下まぶたにある脂肪を除去する手術を受けた。こちらも、仕上がりとしては非常に満足だった。長年気に病んでいた、コンシーラーを重ねても消えないクマが消えてくれた。自分でしかわからない程度の変化かもしれないが、若干見た目年齢が若返ったような気もする。
しかし、1点納得いっていない部分がある。美容クリニックが、この施術を「切らないクマ取り」と名付けていたことだ。この施術は、下まぶたの裏側の粘膜を切って、そこから脂肪をとっていくというものだ。……切っとるやないけ。と、読んでいる方も思ったのではないだろうか。そう、切っているのだ。説明の際にも、「下まぶたの裏側を切って〜」と、「切って」と、確かに言っていた。まぁ、ちゃんと説明はしてもらえているし、事前に調べれば分かることだから、「詐欺だ!」とまでは思わない。皮膚に比べれば粘膜は治りが早いのだろうし。実際、私もそれを承知でクリニックに向かったのだし。でも、それでもこっそり言わせてほしい。クリニックに直接は言わないから言わせてほしい。切っとるやないけ、と。

そして、一番最近受けたのが、肩のボトックス。私は骨格がゴツいから、少しでも華奢に見せたかったのだ。施術を受けてから数ヶ月、肩の筋肉はわずかに小さくなった気がする。本人が「気がする」と思う程度なのだから、他人から見たら変化は全くわからないと思う。それでも、「気がする」だけでも、わりと嬉しい。ごくごく小さな変化でも喜べるくらいには、私のゴツさへのコンプレックスは大きいのだ。

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以上が、私がこれまでに受けてきた施術だ。整形手術を受けたことがない人からすれば「たくさんやっているんだな」と思われるだろうし、切開が必要な手術を何度も受けてきた人からすれば「その程度で『それなりに受けている』とか言わないでほしいな」という感じだと思う。
現在の私の仕上がりは、ここまでやっているとは思われないレベルだと思う。身長159センチ、53キロ。その体型なら整形の前に痩せようよ、と言われても仕方がない。
けれどまあ、これまで挙げてきた施術を受けたことに、後悔はない。切開系の手術のような大金をかけたわけではないし。今の体型で未整形の私よりは、現在の整形済みの私の方がまだマシだろう。
今後やりたいことといえば、歯科矯正かなぁ。でも、時間とお金がかかるし、逆に顔が伸びて見えるようになったという書き込みも見たことがある。二の足を踏んでしまう。やっぱり、まずはダイエットに取り組んだ方がいいかなぁ。
なんて書きながら、イカスミパスタを頼んでしまった。今私がいるのは、全国チェーンのファミレスだ。そもそもここで作業をしようとしてしまうあたりに、私がこの体型である理由が表れている。