20歳で社会人になった私。
新卒で入った会社を今年6年目になる今も、酒好きなままである。初めからお酒は好きだった。
そりゃあ他人様より飲んでる日が多いので、当たり前に失敗はいくつも思い出せるほどあるし、墓場まで持っていきたいほど恥ずかしいことも残念ながらある。
それでも私がお酒を嫌いにならないのは、好きなままなのは、何故なのか。この「お酒との距離感」というテーマが偶然目に入り、なんとなく私とお酒との関係性を考えて文章にしてみようと思ったのである。
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「大人になったから、というよりお酒を飲む私になったから、というのが今の私を表現するには正しい気がするんだよね」
20歳を迎え、専門学校を卒業し、同時に私は社会人になった。そして実家から会社の寮に引っ越した。それだけ20歳という1年は私にとって環境の変化が多い年だった。
両親とは仲が悪いわけではなかったが、なんだか一緒に生活するのが合わないな……と心の中で思っていた。門限のようなものがあり、当時はとてもそれが窮屈で(今思えば女の子の親なら心配する気持ちもわかる)、昔から夜の方が生き生きとする私にはとても息苦しかった。
好きな料理もおつまみになるようなものが昔から好きだった。1番好きな食べ物は小学生の頃から変わらずお刺身だし、焼き鳥、餃子、塩辛いもの全般が好き。中学生のときに祖母に連れられ初めて行ったチェーン店の居酒屋は、どれも私の好きなものだらけでとても興奮したのを覚えている。
そんな10代の頃の私は本音を話せない、素直という言葉とは真逆の子どもだった。
頭の中でばっかり考えて、結局本当の自分の気持ちだったり考えは恥ずかしさと否定されたくないプライドで誰にも表現できずに自分の中だけでいつも終わっていた。
そんな自分が自分で好きじゃなかった。クラスメイトの可愛らしい愛嬌のある素直な女の子をみて羨ましい、私もあんな風に言えたらな、と何度も思った。
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それがお酒を飲むようになって、酔った私ならできた。あのとき羨ましいと思ったあの子に私はなれた気がした。それから少し経つとお酒を飲んでいないときも、昔より素直に感情を表現したり甘えたりできる可愛らしさのある女の子、になれた。
それは私が単純に大人になったからなのだろうか。いや、お酒を飲めない私だったらきっとただ歳を重ね、そのまま頭でっかちの可愛くない、頭が良いように見せたつまらない女だっただろうな、と何故だか確信してしまう。それくらい私にとってお酒は人生を、人柄を変えてくれたものだと思っている。
あれだけ実家から出たくて寮に引っ越したのだから「実家に帰るなんて滅多になくなるだろうな」と思っていたのが、それが意外に帰るものだった。同じ空間にいるときは何も話すことがなかったのに、距離を置けば話題ができた。そしてお酒を飲めば私は饒舌になり本音を話せた。
両親と物理的に距離をとると、逆に心の距離は近くなった。一緒に住んでいたときには考えられなかった。
他にも好きな人とお酒を飲めば良い雰囲気になれたし、友人との会話も笑い声が増え恥ずかしい話や真面目な悩みも話せた。
だからお酒には本当に感謝している。
私を変えてくれた。
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これからもお酒とパートナーのように良い距離感を保っていくためには、できるだけの努力をしたい。年に1回は健康診断を受けるし、週に1日は(できたら2日は)休肝日を作るようにする。居酒屋に行ったときに楽しくなって飲み過ぎてもいいけど周りには迷惑をかけないで帰宅する。嫌われないように気をつけなきゃな。
ずっと変わらず大好きだよ!